【日本電産】就活生・転職者の企業研究|海外M&Aで成長を続ける「モータ」の製造・開発・販売の会社

2021年2月23日

 

こんにちは。イギリス駐在中の米国公認会計士わだけんです。

「就活生・転職者の企業研究」シリーズでは日本の上場企業を取り上げ、企業選びに役立つ情報を丁寧に解説しています

この記事では日本電産の会社情報を紹介します。

どんな製品を販売している?

日本電産は「回るもの、動くもの」に特化したモータの応用製品・ソリューションを法人(B2B)に販売しています。

モータ精密小型から超大型まで製造・販売し、モータの種類はとても豊富です。

日本電産の企業概要ページを見ると、大きく分けて5つの製品を販売していることが分かります。

 

豆知識

  • 日本電産の売上高は上場企業第105位
  • 上場企業の数は3,753社で売上高1兆円超は4%

創業から成長してきた?

1973年、日本電産は社員4名で京都の小さなプレハブ小屋からビジネスを始めます。

創業から15年後には京都・大阪の上場2部に株式公開しています。

それでは、日本電産の売上高と営業利益率の推移を1987年から見てみましょう。

 

ここでは、日本電産の歴史を「国内企業買収・海外子会社設立」期間と「海外企業買収」期間に分けてみます。

国内企業買収・海外子会社設立

1988年に京都・大阪上場2部に株式を公開しますが、それから暫くは売上高が伸び悩み、利益率も5%未満です(1991年は赤字)。

しかし、国内企業買収や海外子会社設立を戦略的に進めていき、1995年以降は売上高が右肩上がりに成長し、営業利益率も5〜10%をキープしています。

2000年には年間売上高が2,000億円を突破、5年後の2005年には売上高が5,000億円を越え、わずか5年で売上高が2.5倍になっています(営業利益率もアップ)。

海外企業買収

2006年のモータ&アクチュエータ事業買収を皮切りに、日本電産は毎年のように海外企業を買収していきます。

リーマンショックの影響で業績が一時的に下がりますが、2013年から売上高が再び右肩上がりとなり、2014年に売上1兆円を突破、2018年には売上1兆5,000億円を超えています。

日本電産は海外M&Aによる減損が1度もないことで有名ですが、売上高の成長と高利益率キープを両立できているので、M&A巧者であることも納得です(減損の解説記事)。

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ビジネスの機会を求めて海外M&Aに手を出す日本企業は多いですが、海外企業の買収に失敗していないかを確かめるために「減損」があったのかをチェックしましょう。

海外進出は進んでいる?

海外進出や海外企業買収で成長してきた日本電産ですが、どの国・地域でビジネスをしているのでしょうか?

 

2010年は日本での売上が全体の約45%を占めていましたが、2019年にはその比率が約20%未満に下がっています。

日本の代わりに過去10年で売上が伸びたのは中国と米国で、中国は1,392億円から3,346億円に、米国は465億円から3,084億円と約6.5倍も伸びています。

中国と米国を中心に、過去10年間で海外進出を積極的に進めてきたことが読み取れます

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日本は少子高齢化と人口減少でマーケット規模は減少傾向です。海外で稼げる体制強化が進んでいるか、関心のある企業の状況を確認しましょう。

投資家から評価されている?

会社の経営が上手くいっているのかを確かめる方法として、投資家が会社をどう評価しているかをチェックする方法があります。

上場企業の場合は「株価」という指標を投資家の評価として使うことが便利です。

それでは、日経平均株価と日本電産の株価を比較してみましょう。

 

日本電産の株価は2000年から2019年にかけて2.5倍に増加、日経平均株価の伸び率を大きく超えています。

棒グラフで比較すると、株式市場での評価が明確に分かりますね。

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関心がある企業の株価の伸びと日経平均の伸びを比較して、その企業が上場企業の平均よりも評価されているか確認しましょう。

どんなコスト構造?

日本電産はメーカーであり世界各地に生産工場を持っていますが、全世界で製品の販売も手がけています。

売上原価と販売管理費の割合がどれくらいなのか、コスト構造も確認しておきましょう。

 

1990年代の前半は売上原価の比率が80〜90%と高いですが、2000年以降は売上原価の比率が70%台後半で推移しています。

メーカーの場合、工場の減価償却費や労務費などが大きいため、売上原価がコストの大部分を占めるのが一般的です。

研究開発に力を入れている?

メーカーにとって競合他社よりも優れた製品を開発することは重要です。

研究開発費と売上高に占める研究開発費割合の推移を見てみましょう。

 

とても興味深いチャートです。売上高に占める研究開発費割合は1997年から突然大きくなり、金額も3億円から44億円と10倍以上になっています。

2002年にも研究開発費の増加が顕著で、この年以降は研究開発費比率4%以上をキープしています。

ココをチェック

メーカーにとって競争力のある製品開発はとても重要。研究開発にどれだけ力を入れているかを「数字」で確認しましょう。

社員の生産性は高い?

日本は先進国の中でも「生産性」が低いことで有名ですが、会社(社員)の生産性はどのように確認すればいいでしょうか?

ひとつの方法として、社員一人あたりの売上高と営業利益の推移を追いかけるやり方があります。

 

折れ線グラフを見ると、2009年から社員一人あたりの売上高は右肩上がりですが、営業利益は横ばいが続いています。

メーカーの場合は工場設備に関連する支出が大きく、工場で働く人の数も多いので、社員一人あたりの営業利益が大きく上昇することは難しいです。

生産性が高いかを判断するには、同業他社と比較するのがベターな方法です。

キャッシュは稼げている?

企業は利益の最大化を求めますが、近年は会計上の利益ではなく現金(CF: Cash Flow)を生み出せているかを重要視する傾向になっています。

ビジネスでしっかり現金を稼ぎ、稼いだ現金を投資に回しているかを確認するために、営業CFと投資CFを見てみましょう。

 

過去20年、日本電産は営業CFが常にプラスであり、営業CFと同じくらいの金額を投資CFに回している傾向が読み取れます。

日本電産は企業買収を積極的に行なっていますが、営業CFと投資CFのバランスをしっかりコントロールしていますね。

ココをチェック

損益計算書だけでなく、キャッシュフローの流れも確認して志望企業の経営状況を把握しましょう。

最後に

深い企業分析をするためには、財務諸表を読めることが必要です。

財務諸表を読むためには会計・簿記の知識が必須であり、それらは社会人の教養と考えられています。また英語もビジネスをする上で必須のスキルです。

この2つのスキルを掛け合わせた『英文会計』もブログで紹介しています

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