英文会計入門

【減損・兆候・認識・測定】は英語でなんて言う?現役の米国公認会計士がやさしく解説!〜英文会計入門シリーズ第19回〜

2021年2月15日

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こんにちは。イギリス駐在中の米国公認会計士わだけんです。

「英文会計入門」シリーズでは、英語で簿記や会計を理解したい方向けに、簡潔に分かりやすく英文会計の基本を解説しています

この記事では「英文会計入門」第19回として、「減損・兆候・認識・測定は英語でなんて言うの?」という疑問にやさしくお答えします

前回の記事「第18回:製造原価は英語でなんて言う?」はコチラから。

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【製造原価・直課・配賦】は英語でなんて言う?現役の米国公認会計士がやさしく解説!〜英文会計入門シリーズ第18回〜

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減損は英語でなんて言うの?

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減損とは、「固定資産に投資した金額が回収できないと判断した時点で、その資産(及び資産グループ)の帳簿価額を回収可能な価額まで減額すること」をいいます。

会社が新事業の開始や既存事業の拡大にあたって、大型の工場や設備、機械、特許権などに巨額のお金を投資することがあります。

投資の意思決定をした時点では、その事業で期待される将来キャッシュ・フローは、当然その投資額より大きいはずです。

しかし、実際に事業を始めてみたらなかなか上手くいかず、計画通りの将来キャッシュ・フローの流入が見込めなくなることがあります

豆知識

固定資産には無形資産も含まれ、企業買収でオンバランスした「のれん」の減損に悩む日本企業も多いです(三菱商事の減損記事

そこで固定資産が生み出す将来キャッシュ・フローが帳簿価額を下回ると判断した場合、帳簿価額を適切な金額まで減額する必要があります。

固定資産の帳簿価額を過大表示したまま、将来に損失を繰り延べることを防ぐためです。(保守主義の原則)

このような会計処理を固定資産の「減損」と言います。では、減損は英語で何と言うのでしょうか?

Impairment」です。

Impairmentとは、impair「価値を減じる、損なう」の名詞形で、会計英語で「減損」を意味します。

発音は「インペアメント」です。「減損損失」と言いたい場合は、Impairment lossと表現します。

例文を確認してみましょう。

減損手続きには重要な3つの段階がある。
There are three key stages in the impairment process.

減損損失とは、ある資産の将来キャッシュ・フローを上回る帳簿価額の減額のことである。
Impairment loss is a decrease in net carrying value of an asset that is greater than the future cash flow of the same asset.

減損の関連用語

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減損の兆候は英語で何て言うの?

減損の兆候とは、資産や資産グループに減損が生じている可能性を示す事象のことです。

すべての固定資産に対して減損判定を行うのは、会社の金銭的・時間的負担が大きいため、「減損の兆候がある」と判断された資産に対してのみ減損判定を行うのです

例えば、事業の廃止や資産の遊休化、市場環境の著しい悪化などが「減損の兆候あり」に該当します。

では、「減損の兆候」は英語で何と言うのでしょうか?

Indication of impairment」です。

Indicationとは「しるし、兆し」という意味の名詞なので、「減損の兆候」とそのまま表現しています。発音は、「インディケーション」です。

ちなみに、「減損の兆候を示す事象」のことは、Indicator of impairmentと訳します。こちらもよく使われるので併せて覚えると便利です。

例文を通して使い方に慣れていきましょう。

会社は資産の減損の可能性を示す兆候がないか評価しなければならない。
Companies are required to assess whether there is any indication that an asset may be impaired.

もし減損の兆候がないのであれば、他に何もする必要はない。
If there is no indication of impairment, no further action is required.

減損の兆候を示す事象の一つに、資産の市場価格の著しい低下がある。
One of the indicators of impairment is a significant decline in an asset’s market value.

減損損失の認識は英語で何て言うの?

ここから先は、日本基準の考え方をベースにお話しするので予めご了承ください。(IFRSとは考え方が異なります)

日本基準では、減損の兆候ありと判断された後、「減損の認識」及び「減損の測定」という2つのステップで減損処理を行います。

「減損の認識」とは、減損の兆候ありと判断された資産の帳簿価額と、割引前将来キャッシュ・フロー総額を比較して「減損を実施すべきか」を判断することです。

重要なポイントは、減損の「認識」と表現しつつも、実際は「減損損失を計上するのではなく、減損損失を計上すべきか判断する」という点です

では、「減損の認識」は英語で何と言うのでしょうか?

Recoverability test」です。

Recoverabilityとは、会計英語で「回収可能性」を意味します。

つまり、Recoverability testで「(資産の」回収可能性があるか否かのテスト」を表現しています。

発音は「リカバビリティー」です。陥りやすい誤訳は、直訳のRecognition of impairment loss(減損の認識)です。

この表現では「実際に減損損失を計上(認識)すること」を意味しますので、十分ご注意ください

以下の例文を参考にしていただくと理解が深まります。

「減損の認識」では、資産の割引前将来キャッシュ・フローが、その資産の帳簿価額を下回っているか評価する。
The recoverability test evaluates if an asset's undiscounted future cash flows are less than the asset's book value.

減損の測定は英語で何て言うの?

減損の測定とは、「割引前将来キャッシュ・フローが帳簿価額を下回っている」と判断された資産について、その資産の「回収可能価額」を計算し、その金額まで簿価を減額することで発生する減損損失を計算することです。

ここで出てきた「回収可能価額」とは、資産の使用価値と正味売却価額のいずれか高い方の金額を指します。

つまり、その資産を使い続けることによって生まれるお金と、市場で売って手に入れられるお金を比較して高い方を「回収できる金額」とするのです

では、「減損の測定」は英語で何と言うのでしょうか?

Measurement of impairment loss」です。

Measurementは「測定」という意味の名詞なので、「減損損失を測定すること」とそのまま表現しています。

「減損の測定」の段階で、測定した減損損失を認識するので、Recognition of impairment lossでも通じます。

「減損を測定する」「減損を認識する」と言いたいときは、動詞のMeasureやRecognize(イギリス表記:Recognise)を使います。

参考までに次の例文をご覧ください。

減損損失は、帳簿価額と割引後キャッシュ・フローの差額を計算することにより測定される。
An impairment loss is measured by calculating the difference between the carrying value and the amount of the discounted cash flows.

資産の帳簿価額が回収可能額を上回っていたら、減損損失を認識しなければならない。
When the carrying amount of an asset exceeds its recoverable amount, an impairment loss must be recognised.
*回収可能額=Recoverable amount

減損の戻入れは英語で何て言うの?

日本基準では認められていませんが、IFRSではある一定の条件を満たすと過年度の減損を(ある一定の金額まで)戻し入れることができます。

では、「減損の戻入れ」は英語で何と言うのでしょうか?

Reversal of impairment loss」です。

Reversalは「方向の逆転」を意味する名詞で、「リバーサル」と読みます。

会計の世界では「戻し入れ、振り戻し、洗い替え」などの意味がある重要な英単語です。

「減損損失を戻し入れる」と言いたい場合は、動詞のReverse(発音:リバース)を使います。

こちらも例文を見ていきましょう。

減損損失の戻入れは、対象資産が減損を認識しなかったとした場合の帳簿価額を超えない範囲で行われる。
An impairment loss is reversed to the extent that it does not exceed the carrying amount that would have been determined had an impairment not been recognized previously.

まとめ:本日の復習

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  • 減損は英語で『Impairment』
  • 減損の兆候は『Indication of impairment』
  • 減損の認識は『Recoverability test』
  • 減損の測定は『Measurement/Recognition of impairment loss』
  • 減損の戻入れは『Reversal of impairment loss』

 

いかがでしたか?

今回の内容が「英語力不足で全然わからなかった…。」という方は、こちらの記事で英語や会計系のオススメの資格を紹介しているので、よかったら覗いてみてください。

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今後も国際ビジネスの場で役立つ英文会計の知識をブログでまとめていきます。

社会人の教養として知っておきたい内容から、「この会計用語をどうやって英語で表現したらいいの?」という実務のお悩みまで幅広く取り扱う予定です。

休日の自己研鑽に遊びに来てもらえると嬉しいです(^^)

「英文会計入門」シリーズ第20回「反対仕訳・洗替え・戻し入れ・取り崩しは英語でなんて言う?」はコチラから。

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