こんにちは。会計英語アカデミー運営者のわだけんです。
「英文会計入門」シリーズでは、英語で簿記や会計を理解したい方向けに、簡潔に分かりやすく英文会計の基本を解説しています。
この記事では「英文会計入門」第34回として「リース会計での頻出英語を教えてほしい」というリクエストにお答えします。
◆前回の記事◆【収益認識】は英語でなんて言う?米国公認会計士が解説!〜英文会計入門シリーズ第33回〜
「ファイナンスリース」「オペレーティングリース」は英語でなんて言うの?
リース取引には、実質的にはリース物件の購入(分割払い)とみなされる賃貸借契約「ファイナンスリース」とそれ以外の賃貸借契約「オペレーティングリース」の2種類があります。
「ファイナンスリース」「オペレーティングリース」はそれぞれ英語で何というでしょうか?
ファイナンスリースは "capital lease" "finance lease"、オペレーティングリースは "operating lease" です。
基本的にカタカナをそのまま英語にすれば問題ありません。
ファイナンスリースは"capital lease"とも呼ばれることは覚えておきましょう。
"capital"は「資本の」という意味です。
「資本主義」を表す「キャピタリズム=capitalism」の"capital"ですね。
例文紹介
- ファイナンスリースはオンバランスである一方、オペレーティングリースはオフバランスである。
Capital leases are "on balance sheet" while operating leases are "off balance sheet".
「借手」「貸手」は英語でなんて言うの?
リース契約の「借手」「貸手」はそれぞれ英語で何と言うでしょうか?
金銭の貸し借りで使われる"borrower"と"lender"ではない点に注意してください。
借手は「リースされる人」、貸手は「リースする人」とそれぞれ英語で表現します。
- 借手 〇lessee ×borrower
- 貸手 〇lessor ×lender
例文紹介
- ファイナンスリースでは、借手は資産の所有による便益とリスクのすべてを実質的に享受する。
In a capital lease, a lessee substantially receives all the benefits and risks of owning the asset. - オペレーティングリースの借手は、バランスシートにその資産と対応する負債を計上しない。
A lessee with a operating lease does not record the asset and the corresponding lease liability on its balance sheet.
「リース区分の判定基準」を英語で説明しよう
ファイナンスリースは「中途解約不能」で「フルペイアウト」のリースと説明できます。
この2つの条件を英語でどのように説明すればいいでしょうか?
正解は一つではないですが、次のような文章を参考にしてください。
- 中途解約不能 non-cancellable
リース期間の中途で契約を解除できない。
A lessee does not have the right to terminate the lease during the lease term.
- フルペイアウト full payout
借手はリース期間中に、リース物件の取得価額、維持管理料、固定資産税、保険料などをリース料として支払う。
A lessee makes lease payments to pay back to the lessor the entire cost of the asset including the acquisition cost, maintenance expenses, property tax, insurance premiums, etc. during the lease term.
条件の2つ目「フルペイアウト」は、リース会計基準では具体的な数値を使って判定します。
いわゆる「現在価値基準」と「経済的耐用年数基準」ですね。
この2つの判定基準はどのように英語で説明できるでしょうか?
- 現在価値基準
リース料総額の現在価値が、当該リース物件の見積現金購入価額の概ね90%以上である。
The net present value (NPV) of lease payments is approximately 90% or more of the asset’s estimated cash purchase price.
- 経済耐用年数基準
解約不能のリース期間が、当該リース物件の経済的耐用年数のおおむね75%以上である。
The non-cancellable lease term is approximately 75% or more of the asset’s economic life.
「〇〇以上」を英語で表現したいときは、"more than〇〇"ではなく、"〇〇 or more"と言います。中学英語で習う"more than〇〇"は「~より上の、~超」という意味なので気を付けましょう。
リース会計で使う「勘定科目」を覚えよう
ここからはリース会計でよく使う勘定科目を取り上げます。
固定資産会計を担当している人は仕訳を英語で考えるときに参考にしてください。
ファイナンスリース
- リース資産 Lease Asset
- リース債務 Lease Liability
- 支払利息 Interest Expense
- 未払利息 Interest Payable
- 減価償却費 Depreciation Expense
- 減価償却費累計額 Accumulated Depreciation
オペレーティングリース
- リース料 Rental Expense
- 未払費用 Accrued Expenses
実際に会計システムにインプットする勘定科目は、開示科目のように正式な名前があるわけではなく、会社ごとに任意の名前が設定されていることが多いです。
英語の勘定科目がすでに設定されている場合は、その慣れている名前を使った方が海外とは円滑にコミュニケーションできます。
上記はあくまで一般的にリース会計で使われる英語の勘定科目として参考にしてください。
参考動画
リース会計に関連する英語表現をより詳しく学習したい方には、以下の動画をおすすめします。7分ほどの動画でネイティブの解説をサクッと視聴できます。
https://www.youtube.com/watch?v=X1AMT1IhWaM
まとめ:本日の復習
- ファイナンスリース:Capital lease, Finance lease
- オペレーティングリース:Operating lease
- 借手:Lessee
- 貸手:Lessor
- 中途解約不能:non-cancellable
- フルペイアウト:full payout
- リース資産:Lease Asset
- リース債務:Lease Liability
- 支払利息:Interest Expense
- 未払利息:Interest Payable
- 減価償却費:Depreciation Expense
- 減価償却費累計額:Accumulated Depreciation
- リース料 Rental Expense
- 未払費用 Accrued Expenses
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