英文会計入門

【原価差異・有利差異・不利差異】は英語でなんて言うの?現役の米国公認会計士が解説!〜英文会計入門シリーズ第35回〜

2021年7月5日

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こんにちは。イギリス駐在中の米国公認会計士わだけんです。

「英文会計入門」シリーズでは、英語で簿記や会計を理解したい方向けに、簡潔に分かりやすく英文会計の基本を解説しています

この記事では「英文会計入門」第35回として「原価差異・有利差異・不利差異は英語でなんて言うの?」という疑問にやさしくお答えします

前回の記事「第34回:リース会計を英語で説明しよう!」はコチラから。

 

原価差異は英語でなんて言うの?

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簿記2級の工業簿記「標準原価計算」で「原価差異」を習いますね。

原価差異とは、実際原価と標準原価(もしくは予定原価)との差額のことをいいます。

 

利潤を追求するビジネスはどの業界であっても、原価差異を把握して内容を分析することは不可欠です。

原価差異を分析することにより、プロダクト生産前に計画していた原価と実際に発生した原価を比較分析し、生産プロセスにおいてどの部門にどのような課題があるのかを明らかにすることができます。

では、「原価差異」は英語で何と言うのでしょうか?

 

正解は "cost variance" です。

 

「原価」は"cost"、「差異」は"variance"とそれぞれ英語で表します。

"variance"の発音は「 ヴェリアンス」で、一般的な意味は「相違、不一致、食い違い」です。

統計学の専門用語「分散」という意味でも使用します。

差異と聞くと"difference"が最初に頭に浮かぶと思いますが、"variance"というカッコイイ会計の専門用語があるので、この機会に覚えてしまいましょう。

因みに、管理会計でよく使う「原価差異分析」は"cost variance analysis"と表現します。

 

例文紹介

  • 原価差異は、材料費、労務費、製造間接費に関して、価格と数量の両方を計算し経営層に報告されるべきである。
    Cost variances should be calculated for both the price and quantity of materials, labor, and manufacturing overhead, and be reported to management.

 

「有利差異」「不利差異」は英語でなんて言うの?

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発生した実際原価が標準原価(予定原価)より小さい場合の原価差異のことを「有利差異」といいます。

有利差異が発生すると、借方に計上した売上原価を有利差異の分だけ「マイナス」します。

したがって、有利差異は別名「貸方差異」とも呼ばれます。

 

また、発生した実際原価が標準原価(予定原価)より大きい場合の原価差異のことを「不利差異」といいます。

不利差異が発生すると借方に計上した売上原価や棚卸資産をプラスするので、別名「借方差異」とも呼ばれます。

 

では、「有利差異」「不利差異」は英語でそれぞれ何というのでしょうか?

 

有利差異は"favorable variance"、不利差異は"unfavorable variance"です。

 

"favorable"は「好都合の、好ましい、有利な」という意味の形容詞で、発音は「フェイヴォラブル」です。

「好意、親切」という意味の"favor"に、「~できる、~しうる」という意味の接頭辞"-able"をつなげた単語です。

米語は"favorable"、英語は"favourable"と表記します。

 

一方、不利差異の"unfavorable"は、"favorable"に否定の意味を持つ接頭辞"un-"をプラスした単語です。

"favorable"とは反対に「不都合の、好ましくない、不利な」という意味の形容詞です。

 

英語の原価差異分析表では、有利差異は"favourable"の頭文字"F"、不利差異は"unfavorable"の頭文字"U"でよく表示されています。

日本で有利差異を「」、不利差異を「」と表記するのと似ていますね。

 

例文紹介

  • 過度に高い予算や標準を設定することにより、大きな有利差異が生み出されることがある。
    A large favorable variance can be made by setting an excessively high budget or standard.

 

「価格差異」「数量差異」「賃率差異」「時間差異」は英語でなんて言うの?

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原価差異分析は、①材料費②労務費③製造間接費に分解して分析します。

では、実際に発生した材料費と標準材料費を比較するのですが、「実際の価格と標準価格との違い」による「価格差異」と「実際に消費した数量と標準消費数量との違い」による「数量差異」に分けて計算します。

公式にすると次のようになります。

  • 材料価格差異 =(@標準単価-@実際単価)×実際数量
  • 材料数量差異 = @標準単価×(標準数量-実際数量)

 

も①と同じように、実際に発生した労務費と標準労務費を比較するのですが、「実際の賃金と標準賃金の違い」による「賃率差異」と「実際に作業した時間と標準作業時間との違い」による「時間差異」に分けて計算します。

公式は次のとおりです。

  • 賃率差異 =(@標準賃率-@実際賃率)×実際作業時間
  • 時間差異 = @標準賃率×(標準作業時間-実際作業時間)

このあたりは簿記2級の範囲の復習ですね。

 

では、「価格差異」「数量差異」「賃率差異」「時間差異」はそれぞれ英語で何というでしょうか?

 

「価格差異」は"price variance"、「数量差異」は"quantity variance"、「賃率差異」は"rate variance" 、「時間差異」は"efficiency variance"です。

 

材料費か労務費であるかに関わらず、単価が原因による差異を"price variance"、インプットの量が原因による差異は"quantity variance"と言っても、ネイティブには通じます。

「単価=price」「量=quantity」とイメージすれば、簡単に覚えられます。

 

例文紹介

  • 材料費の実際単価が標準単価よりも低ければ、有利な価格差異となる。しかし、予想よりも多くの材料を使用した場合は、不利な数量差異に繋がる。
    If the actual cost is lower than the standard cost for raw materials, it would be a favorable price variance. However, if more materials were used than anticipated, this would lead to an unfavorable quantity variance.

 

「予算差異」「能率差異」「操業度差異」は英語でなんて言うの?

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製造間接費の原価差異分析(3分法)では、「予算差異」「能率差異」「操業度差異」の3つの原価差異に分けて計算します。

簿記2級で習う内容ですが、内容を忘れてしまった人は、暗記不要の簿記独学講座さんのコチラの記事で復習してください。

 

「予算差異」「能率差異」「操業度差異」はそれぞれ英語で何というでしょう?

 

「予算差異」は"spending variance" 、「能率差異」は"efficiency variance"、「操業度差異」は"production variance"です。

 

予算差異"spending variance"の"spending"は「支出」という意味です。

予算差異は、製造間接費の実際発生額(実際支出額)と実際操業度における予算額との差額であることをイメージして覚えましょう。

 

能率差異"efficiency variance"の"efficiency"は「効率、能率」という意味です。

能率差異は、実際操業度と標準操業度の違い=能率の違いによって生まれる差額です。

日本語の「能率」をそのまま英語にして覚えることができます。

 

最後に、操業度差異"production variance"の"production"は「生産、製造」という意味です。

操業度差異は、実際操業度と生産設備を100%フル稼働した場合の操業度と差によって生まれる差額です。

実際には生産設備をピッタリ100%稼働させることは難しいので、「生産」にあたってほぼ必ず生じる差異であることをイメージして"production variance"を覚えましょう。

 

 

まとめ:本日の復習

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  • 原価差異:Cost variance
  • 有利差異:Favorable variance、不利差異:Unfavorable variance
  • 価格差異:Price variance、数量差異:Quantity variance、賃率差異:Rate variance、時間差異:Efficiency variance
  • 予算差異:Spending variance、能率差異:Efficiency variance、操業度差異:Production variance

 

いかがでしたか?

今回の内容が「英語力不足で全然わからなかった…。」という方は、こちらの記事で英語や会計系のオススメの資格を紹介しているので、よかったら覗いてみてください。

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今後も国際ビジネスの場で役立つ英文会計の知識をブログでまとめていきます。

社会人の教養として知っておきたい内容から、「この会計用語をどうやって英語で表現したらいいの?」という実務のお悩みまで幅広く取り扱う予定です。

休日の自己研鑽に遊びに来てもらえると嬉しいです(^^)

「英文会計入門」シリーズ第36回「製造原価報告書を英語で読めるようになろう」はコチラから。

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