英文会計入門

【収益認識】は英語でなんて言う?米国公認会計士が解説!〜英文会計入門シリーズ第33回〜

2021年5月20日

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こんにちは。イギリス駐在中の米国公認会計士わだけんです。

「英文会計入門」シリーズでは、英語で簿記や会計を理解したい方向けに、簡潔に分かりやすく英文会計の基本を解説しています

この記事では「英文会計入門」第33回として「収益認識は英語でなんて言うの?」という疑問にやさしくお答えします

前回の記事「第32回:会計の概念フレームワークを英語で学ぼう」はコチラから。

収益認識は英語でなんて言うの?

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2021年4月から「収益認識に関する会計基準」が原則としてすべての企業に適用となりました。

これにより、売上計上のタイミングがきちんとルール化され(履行義務ベース)、企業間の売上の比較可能性が高まるといわれています。

豆知識

従来の売上計上基準は、「売上高は、実現主義の原則に従い、商品などの販売または役務の給付によって実現したものに限る」と定められていただけでした。結果、企業間の売上計上のタイミングは統一されていませんでした。

本記事では、「収益認識に関する会計基準」の基本的なポイントを、英語でどのように表現するのか学習していきます。

IFRSを英語で理解するのにも役に立つので参考にしてください。

まず、「収益認識」は英語で何と言うのでしょうか?

答えは、revenue recognitionです。

英語で「収益」はrevenue、「認識」はrecognition、といいます。

「収益を認識する」と言いたい場合は、動詞recognizeを使って、recognize revenueとそのまま表現します。

このあたりは基本的な会計英語の単語なので覚えておきましょう。

収益認識の5ステップ

収益認識に関する会計基準には、収益認識までに5つのステップ(段階)があります。

各ステップに分けて、基準を理解するうえで重要な英単語を見ていきましょう。

なお、収益認識基準の概要を深く学習したい方は、企業会計基準委員会のコチラをご参照ください。

契約の識別

第ステップ1では、顧客との間にどのような契約を結んだのかを確認します。

それを「契約の識別」といいます。

英語では、Identifying the contractです。

ここでいう契約とは、「法的な強制力のある権利及び義務を生じさせる複数の当事者間における取決めのこと」を指しています。

英訳すると、次のとおりになります。

A contract is an agreement between two or more parties that creates enforceable rights and obligations.

重要な英単語
・party 当事者
・enforceable 法的な強制力のある
・rights and obligations 権利および義務


収益認識基準では、一定の条件を満たすと、契約を「結合」や「変更」することがあります。

契約の結合は、「当該複数の契約を結合し、単一の契約とみなして処理する」ことです。

英訳すると次のとおりになります。

Combination of contracts is to combine two or more contracts and account for the contracts as a single contract.

重要な英単語
・combination 結合
・combine ~を結合する
・account for ~を会計処理する


契約の変更は、「契約の当事者が承認した契約の範囲又は価格(あるいはその両方)の変更のこと」をいいます。

英訳は次のとおりです。

A contract modification is a change in the scope or price (or both) of a contract that is approved by the parties to the contract.

重要な英単語
・modification 変更
・scope 範囲
・approve ~を承認する

combine(結合する)modify(変更する)は、基本的な英単語なので覚えておきましょう。

履行義務の識別

第2ステップでは、契約の中にある履行義務を確認します。

それを「履行義務の識別」といいます。

英語では、Identifying performance obligationsです。

履行義務は、「別個の財又はサービス」「一連の別個の財又はサービス」のいずれかを顧客に移転する約束のことを指します。

「別個の財又はサービス」はa distinct good or service、「一連の別個の財又はサービス」はa series of distinct goods or services、とそれぞれ英訳します。

重要な英単語
・distinct 別個の(他とはっきりと区別できる)
・a series of 一連の

取引価格の算定

第3ステップでは、取引価格を確認します。

これを「取引価格の算定」といいます。

英語ではDetermining the transaction priceと表現します。

「取引価格」とは、財又はサービスの顧客への移転と交換に企業が権利を得ると見込む対価の額をいいます。

これを英訳すると、次のようになります。

The transaction price is the amount of consideration to which an entity expects to be entitled in exchange for transferring promised goods or services to a customer.

重要な英単語
・consideration 対価
・entity 企業
・entitle ~の権利を与える
・in exchange for ~と交換に
・transfer ~を移転する

その他、参考までに「取引価格の算定」において重要な英単語を紹介します。

その他重要な英単語
・Variable consideration 変動対価
・Significant financing component in the contract 契約における重要な金融要素
・Non-cash consideration 現金以外の対価
・Consideration payable to a customer 顧客に支払われる対価

履行義務への取引価格の配分

第4ステップでは、取引価格をそれぞれの履行義務に配分します。

これを「履行義務への取引価格の配分」といいます。

英語では、Allocating the transaction price to performance obligationsです。

ここでは、「それぞれの履行義務(あるいは別個の財又はサービス)に対する取引価格の配分は、財又はサービスの顧客への移転と交換に企業が権利を得ると見込む対価の額を描写するように行う」といわれています。

これを英訳すると、次のようになります。

Allocate the transaction price to each performance obligation (or distinct good or service) in an amount that depicts the amount of consideration to which the entity expects to be entitled in exchange for transferring the promised goods or services to the customer.

重要な英単語
・depict ~を描写する


具体的な配分方法は、「財又はサービスの独立販売価格の比率に基づき、契約において識別したそれぞれの履行義務に取引価格を配分」とされています。

英語では次のように表現します。

Allocate the transaction price to each performance obligation identified in the contract on a relative stand-alone selling price basis.

重要な英単語
・identify ~を識別する
・stand-alone selling price 独立販売価格

その他、参考までに「履行義務への取引価格の配分」において重要な英単語を紹介します。

その他の重要な英単語
・Allocation of a discount 値引きの配分
・Allocation of variable consideration 変動対価の配分
・Changes in the transaction price 取引価格の変動

履行義務の充足による収益の認識

第5ステップでは、履行義務の充足により収益を認識します。

履行義務の充足」は、英語でSatisfaction of performance obligationsといいます。

企業は約束した財又はサービス(すなわち資産)を顧客に移転することにより、履行義務を充足した時に又は充足するにつれて、収益を認識します。

資産が移転するのは、顧客が当該資産に対する支配を獲得した時又は獲得するにつれてです。

これを英訳すると次のようになります。

An entity shall recognise revenue when (or as) the entity satisfies a performance obligation by transferring a promised good or service (ie an asset) to a customer.

An asset is transferred when (or as) the customer obtains control of that asset.

重要な英単語
・assets 資産
・control 支配


履行義務には、「一定の期間にわたり充足される履行義務」と「一時点で充足される履行義務」があります。

一定の期間にわたり充足される履行義務」は、英語でPerformance obligations satisfied over timeといいます。

一定期間にわたり充足される履行義務には、例えば次のような特徴があります。

企業が顧客との契約における義務を履行するにつれて、顧客が便益を享受すること

企業が顧客との契約における義務を履行することにより、資産が生じる又は資産の価値が増加し、当該資産が生じる又は当該資産の価値が増加するにつれて、顧客が当該資産を支配すること

これを英訳すると次のようになります。

The customer simultaneously receives and consumes the benefits provided by the entity’s performance as the entity performs

The entity’s performance creates or enhances an asset that the customer controls as the asset is created or enhanced

重要な英単語
・simultaneously 同時に
・receives and consumes the benefits 便益を享受する
・enhance ~を増加させる、~を高める


一時点で充足される履行義務」は、英語でPerformance obligations satisfied at a point in timeといいます。

一時点で充足される履行義務は、「一定の期間にわたり充足される履行義務」以外の履行義務のことをいいます。

この場合、「資産に対する支配を顧客に移転した」時に、収益を認識します。

「支配を移転した時点」には、次のような指標が考慮されます。

企業が顧客に提供した資産に関する対価を収受する現在の権利を有していること

顧客が資産に対する法的所有権を有していること

企業が資産の物理的占有を移転したこと

顧客が資産の所有に伴う重大なリスクを負い、経済価値を享受していること

顧客が資産を検収したこと

これらの英訳は、次のように表現します。

The entity has a present right to payment for the asset

The customer has legal title to the asset

The entity has transferred physical possession of the asset

The customer has the significant risks and rewards of ownership of the asset

The customer has accepted the asset

重要な英単語
・present right 現在の権利
・legal title 法的所有権
・physical possession 物理的占有
・significant 重要な
・reward 経済価値
・ownership 所有
・accept ~を検収する

まとめ:本日の復習

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  • 収益認識:Revenue recognition
  • 契約の識別:Identifying the contract
  • 履行義務の識別:Identifying performance obligations
  • 取引価格の算定:Determining the transaction price
  • 履行義務への取引価格の配分:Allocating the transaction price to performance obligations
  • 履行義務の充足:Satisfaction of performance obligations

 

いかがでしたか?

今回の内容が「英語力不足で全然わからなかった…。」という方は、こちらの記事で英語や会計系のオススメの資格を紹介しているので、よかったら覗いてみてください。

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今後も国際ビジネスの場で役立つ英文会計の知識をブログでまとめていきます。

社会人の教養として知っておきたい内容から、『この会計用語をどうやって英語で表現したらいいの?』という実務のお悩みまで幅広く取り扱う予定です。

休日の自己研鑽に遊びに来てもらえると嬉しいです(^^)

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