英文会計入門

【不正会計・不適切会計・粉飾決算】は英語で何て言う?現役の米国公認会計士が解説!〜英文会計入門シリーズ第21回〜

2021年2月17日

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こんにちは。イギリス駐在中の米国公認会計士わだけんです。

「英文会計入門」シリーズでは、英語で簿記や会計を理解したい方向けに、簡潔に分かりやすく英文会計の基本を解説しています

この記事では「英文会計入門」第21回として、「不正会計・不適切会計・粉飾決算は英語でなんて言うの?」という疑問にやさしくお答えします

前回の記事「第20回:反対仕訳は英語でなんて言う?」はコチラから。

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不正会計は英語でなんて言うの?

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不正会計とは、会社が意図的に、実際の取引実態とは異なる内容に財務諸表を作り変えたり、開示すべき内容を隠したりすることをいいます。

例えば、売上の過大計上・架空計上、損失の隠蔽、利益の水増しなどです。

豆知識

2015年の東芝による「工事進行基準」「部品取引」「経費計上」「半導体在庫」などの不正会計が有名ですね。内容が気になる方は、東芝HP「不正会計問題に関する第三者委員会からの調査報告書<要約版>」をご覧ください。

不正会計は、財務諸表の利益水増しのためだけではなく、ある会計期間に意図的に損失を計上し、翌期以降に損失を戻し入れることで利益を平準化すること(利益操作)にも使われます。

ポイントは「意図的に、わざと」という点です。「事実の誤認、勘違い」や「専門的な知識不足」から誤った会計処理を行うのとは異なります。

では、「不正会計」は英語で何と言うのでしょうか?

Accounting Fraud」です。

Accountingは「会計」、Fraudは「詐欺、ニセモノ、不正」という意味です。

Accounting fraudで「会計上の不正」ということですね。

例文を見て使い方に慣れていきましょう。

不正会計とは、企業の財務の健全性を偽って表示するために、財務諸表を意図的に操作することである。
Accounting fraud is the intentional manipulation of financial statements to create a false appearance of corporate financial health.

資産の過大計上や負債の過少計上は不正会計の一つである。
Overstating a company’s assets or understating its liabilities is one form of accounting fraud.

また、「大きな企業の不正会計事件」はAccounting Scandalと表現します。

Scandalは「スキャンダル、不祥事、不祥事件」という意味の名詞です。

例えば、東芝の不正会計は2015年7月21日の英メディア「The Guardian」から次のように紹介されています。

Toshiba boss quits over £780m accounting scandal.
東芝のトップが£780m(1,520億円)の不正会計により辞任

不正会計の関連用語

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不適切会計は英語でなんて言うの?

不正会計と似た言葉に「不適切会計」があります。

不正会計と不適切会計は、同じ意味を持つ言葉として混同されることがありますが、実は違います。

不適切会計の定義は、日本公認会計士協会が次のように定めています。

「意図的であるか否かにかかわらず、財務諸表作成時に入手可能な情報を使用しなかったことによる、又はこれを誤用したことによる誤り」

監査・保証実務委員会研究報告第25号「不適切な会計処理が発覚した場合の監査人の留意事項について」に載っていますので、ご参考までにご覧ください。

つまり、「そのミスが意図的であっても意図的でなくても、誤りと言う事実さえあれば不適切会計」ということですね。

ここが「意図的な操作」に限定している不正会計との違いです。

では、「不適切会計」は英語で何と言うのでしょうか?

Inappropriate accounting」です。

Inappropriateは「不適切な」、Accountingは「会計」という意味ですので、そのままの表現ですね。

例文を見ていきましょう。

その会社は、過去5年間の不適切会計によって、合計1,000万ドルの利益が水増しされていたことを認めた。
The company has admitted that its profits had been inflated by a total of $10 million through inappropriate accounting over the past 5 years.

粉飾決算は英語でなんて言うの?

不正会計と同じように使われる会計用語に「粉飾決算」があります。

粉飾決算とは何でしょうか?

粉飾とは、「物事の表面・うわべを飾ったり、繕ったりして、実際の状況を隠すこと」をいいます。

そこから転じて、粉飾決算は「会社の業績を良く見せようと、収益を過大に計上したり費用を過少に計上したりして、利益を実際より大きく表示すること」をいいます。

「意図的に利益を大きく見せるために不正をする」という点で、粉飾決算は不正会計の一部といえます。

では、「粉飾決算」は英語で何と言うのでしょうか?

Window-dressing accounting」です。

Window-dressingとは、「ウィンドウ・ドレッシング」と読み、「うわべを飾る、外見を繕う、見せかけの、まやかしの」という意味の形容詞です。

Windowは「(商店の)飾り窓、ショーウィンドウ」、Dressingは「服を着飾ること、仕上げること」という意味で、元々Window-dressingは「顧客を魅了するためショーウィンドウを豪華にすること」という意味で使われていました。

その意味から転じて、現在では「うわべを飾る」という意味でも使われています。

粉飾決算は、「財務諸表の見かけ上の数値だけ美しく魅せる」ということなので、Window-dressing accountingは非常にわかりやすい表現ですね。

こちらも例文を確認していきましょう。

粉飾決算とは、会社の業績をより良く見せるように財務諸表を操作することであり、投資家に誤解を与える可能性があるものである。
Window-dressing accounting is a manipulation of financial statements to show more favorable results of a company, which can mislead investors.

粉飾決算は、多くの株主を有する会社でよく起こり、経営者が投資家に上手く経営されている会社であると見せかけることができてしまうのだ。
Window dressing accounting is common when a company has a large number of shareholders, so that management can give the appearance of a well-run company to investors.

その他の重要単語

最後に、「不正会計、不適切会計、粉飾決算」の内容を理解するために重要な表現をご紹介します。英語で不正会計などを説明する機会にお役立てください。

~を過大計上する…overstate~

A company did window dressing to overstate sales revenue.
ある会社が売上を過大計上するため粉飾を行った。

~を過少計上する…understate~

Costs and expenditures have been understated over the past 10 years.
過去10年間、費用や支出が過少計上され続けた。

~を実際より大きく見せる…~look/appear higher than it should be

The period-end accounts receivable balance appears higher than it should be.
期末の売掛金残高を実際より大きく見せている。

~を実際より小さく見せる…~look/appear lower than it should be

The period-end loans payable balance appears lower than it should be.
期末の借入金残高を実際より小さく見せている。

利益の水増し…inflate profit

The company attempted to falsely inflate profits on its income statement.
その会社は損益計算書の利益を偽って水増ししようとした。

まとめ:本日の復習

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  • 不正会計は英語で『Accounting fraud』
  • 不適切会計は『Inappropriate accounting』
  • 粉飾決算は『Window-dressing accounting』
  • ~を過大計上するは『overstate~』
  • ~を過少計上するは『understate~』
  • ~を実際より大きく見せるは『~look/appear higher than it should be』
  • ~を実際より小さく見せるは『~look/appear lower than it should be』
  • 利益の水増しは『inflate profit』

 

いかがでしたか?

今回の内容が「英語力不足で全然わからなかった…。」という方は、こちらの記事で英語や会計系のオススメの資格を紹介しているので、よかったら覗いてみてください。

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今後も国際ビジネスの場で役立つ英文会計の知識をブログでまとめていきます。

社会人の教養として知っておきたい内容から、「この会計用語をどうやって英語で表現したらいいの?」という実務のお悩みまで幅広く取り扱う予定です。

休日の自己研鑽に遊びに来てもらえると嬉しいです(^^)

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