英文会計入門

【利益】は英語でなんて言う?現役の米国公認会計士がやさしく解説!〜英文会計入門シリーズ第4回〜

2021年1月18日

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こんにちは。イギリス駐在中の米国公認会計士わだけんです。

「英文会計入門」シリーズでは、英語で簿記や会計を理解したい方向けに、簡潔に分かりやすく英文会計の基本を解説しています

簿記3級と英検準2級くらいの前提知識があれば読みやすいと思いますが、以下に当てはまる方はどなたも大歓迎です(^^)

  • 就職前に英文会計を学んで同学年に差をつけたい「学生」の方
  • 社会人の教養として英文会計を身につけたい「専業主婦」の方
  • ビジネス英語の一部として英文会計を学びたい、国際ビジネスの場で周りと差をつけたい、英語×簿記で自分の市場価値を高めたい「社会人」の方

この記事では「英文会計入門」第4回として、「利益は英語でなんて言うの?」という疑問にやさしくお答えします

前回の記事「第3回:決算作業は英語でなんて言う?」はコチラから。

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【決算作業・試算表・精算表】は英語でなんて言う?現役の米国公認会計士がやさしく解説!〜英文会計入門シリーズ第3回〜

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ビジネス英語で「利益」はなんて言うの?

収益が費用を上回っている会社では、利益が出ています。

その「利益」は英語でなんて言うのでしょうか?

正解は「profit」です。

  • 利益を生む
    make a profit/turn a profit/earn a profit
  • 利益を最大化する
    maximize profits

また、profitは名詞「利益」以外に、自動詞「利益を得る」という意味もあります。

  • 我々の会社はまだ合併から利益を得られていない。
    Our company has not profited from the merger.
  • 彼は他の投資家に株式を売ることで利益を得た。
    He has profited by selling stocks to other investors.

会計で「利益」はなんて言うの?

会計上の利益にはいくつか種類があります。

損益計算書上のどの段階の利益を指すかによって表現が変わります

また、IFRSとUS-GAAPで異なるので一緒に確認していきましょう。

「売上総利益」は英語でなんて言うの?

売上総利益は、商品・製品の売上から売上原価を引いた利益のことです。

粗利(あらり)や粗利益(あらりえき)とも呼ばれます。

IFRS:Gross profit

Grossとは「総計の、全体的な」という意味です。

日本でも「総額」という意味で「グロス」がビジネス用語になっていますね。

直訳すると「総額の利益」ですから、覚えやすい会計英語です。

イギリスの職場から

イギリスの職場では粗利のことを「GP(ジーピー)」と呼びます。文章では£GPと書きます。

US-GAAP:Gross margin on sales

marginは「余白」という意味のある英単語ですが、ビジネスシーン用語のいわゆるマージンには「粗利、粗利益」という意味があります。

Gross margin on salesは直訳で「売上に対する総額の粗利」です。つまり、「売上総利益」を表すわけですね。

on salesを省略することもあります。

「営業利益」は英語でなんて言うの?

営業利益とは、売上総利益から販売費及び一般管理費を引いた利益です。

一般的に、会社が本業で稼いだ利益を表します。

IFRS:Operating profit

operatingとは「経営上の、営業の」という意味です。「営業の利益」つまり「営業利益」を意味するわけです。

豆知識

ちなみに「営業活動によるキャッシュフロー」は、「cash flows from operating activities」と訳します。余裕があれば、覚えておきましょう。

「営業」と聞くとsalesやtradeなどをイメージしがちですが、営業利益は「研究開発」「採用」「IR」「総務」などの本業を回すために必要なすべての費用を引いた後の利益です

「営業利益は、本業のオペレーション全般に関わる利益だから、operatingという単語が使われるんだな」と理解すると覚えやすいでしょう。

イギリスの職場から

イギリスの職場では営業利益をBusiness Profit(ビジネス・プロフィット)と呼びます。文章では「BP」と省略します。

US-GAAP:Operating income

US-GAAPはprofitではなく「income」という単語を使います

income statement(損益計算書)のincomeですね。

営業利益以外でも、incomeは利益を表す単語としてUS-GAAPで出てきます。

また、operatingを使うことは、IFRSの表現と同じです。

「経常利益」は英語でなんて言うの?

経常利益は、営業利益から営業外収益を足して営業外費用を引いた利益です。

つまり、本業および本業以外を含めた事業全体から、会社が経常的に得た利益のことです。本業以外の損益とは、例えばメーカーが貸付金によって得た利息が該当します。

ただし、経常利益というのは日本基準の概念で、IFRSやUS-GAAPには経常利益という区分はありません

豆知識

日本のように経常的に発生する「経常損益」と臨時的に発生する「特別損益」に分けるのではなく、IFRSやUS-GAAPは「事業に関係するか、事業に関係しないか』という基準で分けています。つまり営業利益か、営業利益以外かという区分です。

そのため、日本基準で例えば「特別損益」として扱われる項目も、事業に関わるものであれば「営業利益」に含まれてしまうということが起こるのです。

以上がIFRSやUS-GAAPに経常利益がない理由ですが、日本基準の「経常利益」はどのように英語に訳すでしょうか。

正解は「ordinary income/ordinary profit/recurring profit」です。

ordinaryは、「普通の、通常の」という形容詞です。

ordinary person:普通の人、ordinary life:普通の人生

日本語の「経常的な」を「通常の」と頭の中で変換すれば、覚えやすくなります。

recurringは「繰り返し起きる」という形容詞です。

recurring dream:繰り返される夢、recurring problem:繰り返し起きる問題

余裕があれば覚えておきましょう。

「特別利益」は英語でなんて言うの?

上記で述べたように、IFRSやUS-GAAPでは「営業利益」か「営業利益以外か」という区分を使うので、「特別利益」という概念はありません。

それでは日本基準の「特別利益」は英語でなんと言うのでしょうか?

正解は「extraordinary income/extraordinary gain/extraordinary profit」です。

extraordinaryは、extraとordinaryに分解して考えます。

extraは「~の範囲外」という意味の接頭辞です。

つまり「ordinary(普通の、通常の)範囲外」ということで「異常な」と訳されます。

特別利益は異常な利益だと言ってるんですね

gainは名詞で「利得」という意味です。会計の世界で、よく見る単語なので合わせて覚えておきましょう。

「当期純利益」は英語でなんて言うの?

当期純利益は、会社のすべての収益からすべての費用を引いて最後に残った「最終利益」のことです。

IFRS:profit

シンプルで分かりやすいですね。

US-GAAP:net income

netとは、「正味の」という意味です。上で解説した「gross(総計の)」の対義語として有名です。

「ネット」はビジネス用語にもなっていて、「ネット(正味)の金額」、「ネットする(差し引きする)」のような使い方をします

「最終利益は『正味の利益』と言い換えられるから…」と頭で変換すると覚えやすいですね。

豆知識

当期純利益は、損益計算書の「最後」に表示されることから、bottom lineと表現されることもあります。

「包括利益」は英語でなんて言うの?

包括利益とは、かなりザックリ説明すると「会社の当期純利益±色々な含み損益」のことです。

詳しく知りたい方はグロービスの記事をご覧ください。

では、包括利益は英語でなんと言うのでしょうか?

正解は「comprehensive income」です。

comprehensiveは「包括的な、大局的な、広範囲の」という意味の形容詞です。

  • comprehensive view:大局的な見解
  • comprehensive plan:総合計画

少し難易度の高い英単語ですが、ビジネスでも使われる可能性があるので覚えていて損はないです。

IFRSとUS-GAAPどちらも同じ表現を使います。comprehensive profitとは言わないので注意してください。

おまけ:損失は英語でなんて言うの?

「損失」の英語は知っている人も多いと思うので、解説するほどでもないかもしれません。

正解は「loss」です。

  • 売上総損失:gross loss
  • 営業損失:operating loss
  • 経常利益:ordinary loss
  • 特別損失:extraordinary loss

注意点としては、包括利益がマイナスであっても「包括損失」という日本語がないように、英語においてもcomprehensive lossという用語は存在しないということです

包括利益がマイナスの場合、勘定科目はcomprehensive incomeを使い、マイナスの数値で表します。日本語の表示方法と同じですね。

まとめ:本日の復習

いかがでしたか?一見難しそうな会計英語も覚え方自体を頭に入れておけば、いざという時に記憶から取り出しやすくなります。

今回は単語量が多めでしたが、少しでも皆さんのお役に立つことができたら幸いです。

  • 『利益』はビジネス英語で『profit』
  • 『売上総利益』は英語で
    • IFRS『gross profit』
    • US-GAAP『gross margin on sales』
  • 『営業利益』は英語で
    • IFRS『operating profit』
    • US-GAAP『operating income』
  • 『経常利益』は英語で『ordinary income/ordinary profit』など
  • 『特別利益』は英語で『extraordinary income/extraordinary gain』など
  • 『当期純利益』は英語で
    • IFRS『profit』
    • US-GAAP『net income』
  • 『包括利益』は英語で『comprehensive income』

 

今回の内容が「英語力不足で全然わからなかった…。」という方は、こちらの記事で英語や会計系のオススメの資格を紹介しているので、よかったら覗いてみてください。

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今後も国際ビジネスの場で役立つ英文会計の知識をブログでまとめていきます。

社会人の教養として知っておきたい内容から、『この会計用語をどうやって英語で表現したらいいの?』という実務のお悩みまで幅広く取り扱う予定です。

休日の自己研鑽に遊びに来てもらえると嬉しいです(^^)

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