
こんにちは。会計英語アカデミー運営者のわだけんです。
「英文会計入門」シリーズでは、英語で簿記や会計を理解したい方向けに、簡潔に分かりやすく英文会計の基本を解説しています。
この記事では「英文会計入門」第15回として、「資本金は英語でなんて言うの?」という疑問にやさしくお答えします。
◆前回の記事◆【社債】は英語でなんて言う?米国公認会計士がやさしく解説!〜英文会計入門シリーズ第14回〜
-
【社債】は英語でなんて言う?米国公認会計士がやさしく解説!〜英文会計入門シリーズ第14回〜
こんにちは。会計英語アカデミー運営者のわだけんです。 「英文会計入門」シリーズでは、英語で簿記や会計を理解したい方向けに、簡潔に分かりやすく英文会計の基本を解説しています。 この記事では ...
無料で簿記や会計を学ぶならCPAラーニング
CPAラーニングなら日商簿記3級・2級のWeb講義、レジュメ・教科書・問題集(PDFダウンロード)、ネット模擬試験を完全無料で利用できます。「会計実務コース」「管理会計コース」「税務実務コース」「財務実務コース」などの無料実務講座もおすすめです。(運営: CPA会計学院)
目次
資本金は英語でなんて言うの?

資本金とは、簡単に説明すると「会社の運営資金として株主が出資したお金」のことです。
会社設立や新事業開始にあたっての元手のお金のことで、貸借対照表の純資産の部にある勘定科目ですね。
では、資本金は英語で何と言うのでしょうか?
正解は、Share capitalです。
Shareは「株」という意味の名詞です。同じくStockも「株」という英単語ですが、Investopediaの記事によると、Shareは具体的に「ある一つの会社の所有権」を表すようです。
Capitalは「資本、資金」という意味の名詞で、「キャピタル」と読みます。
豆知識
資本主義のことを英語で「キャピタリズム(Capitalism)」と言いますが、そのキャピタル(Capital)と同じ単語です。
2語合わせたShare capitalで「会社の所有権を有する資本」と表現しているわけです。
例文を見て覚えていきましょう。
会社が投資家に発行した株式の総額は発行済資本(資本金)と呼ばれる。
The total value of the shares a company sells to investors is called its issued share capital.
その会社は£1000を資本金として記録した。
The company recorded £1,000 as share capital.
会社が普通株式を発行し現金が振り込まれた場合、貸借対照表の左側に現金、右側に資本金がきてバランスする。
When a company issues common shares and receives cash, the balance sheet is balanced with cash on the left and share capital on the right side.
資本金の関連用語

ここからは実務で役に立つ資本金の関連用語を学習していきましょう。
会社設立、増資、新株の発行は英語で何て言うの?
会社員人生の中で、「会社設立にあたり新株を発行する」「事業拡大のため増資する」と会議の場で話すシチュエーションがくるかもしれません。
その会議で意見を出す相手は日本語のわからない外国人だとしましょう。そんなとき、あなたは英語で何と説明しますか。
そんなピンチを乗り越えるお役立ちフレーズをご紹介します。
会社設立は「start or found or set up or create a company」増資は「raise equity capital」新株の発行は「issue new shares」とそれぞれ英語で表現します。
実際の使い方は次の通りです。
来月設立する新会社のため新株を発行しよう。
Let’s issue new shares for a new company that we set up next month.
我々の会社を増資するには様々な方法がある。
There are different ways to raise equity capital for our company.
創立費は英語で何て言うの?
会社設立のために支払う費用のことを「創立費」と言います。
創立費には、登記関連費用や設立前の賃借料・給与、定款制作費用などが含まれます。
日本基準では、創立費は原則的に支出時に費用として処理しますが、任意で繰延資産に計上し、5年以内に渡って定額償却できます。
では、創立費は英語で何と言うのでしょうか?
正解は、Organization expensesです。
「組織設立のための費用」ということですね。
日本語と英語の表現になんとなく乖離がある会計用語ですが、会社の新規設立に携わるビジネスパーソンは覚えておいて損はないと思います。
例文を確認してみましょう。
IFRS基準では通常創立費は資産化され償却される。ただし、一般的に米国GAAPや財務報告目的においては費用化される。
Under IFRS standards organization expenses are typically capitalized and amortized. However, they are generally expensed for US-GAAP and financial reporting purposes.
開業費は英語で何て言うの?
開業費とは、「会社設立『後』にかかった事務所設備や物品の購入などにかかった費用」のことです。
創立費と同じく、日本基準では開業費も原則的に支出時に費用として処理しますが、任意で繰延資産に計上し、5年以内に渡って定額償却できます。
では、開業費は英語で何と言うのでしょうか?
正解は、Business commencement expense/Start up costsです。
"commencemen"tはcommence(動詞:開始する)の名詞形です。
つまり、「事業を開始する費用」ということですね。
Start up costsも似ていて、「(事業の)スタートアップ費用」を表します。
上記のOrganization expenses(創立費)と混同しないように注意しましょう。
無料で簿記や会計を学ぶならCPAラーニング
CPAラーニングなら日商簿記3級・2級のWeb講義、レジュメ・教科書・問題集(PDFダウンロード)、ネット模擬試験を完全無料で利用できます。「会計実務コース」「管理会計コース」「税務実務コース」「財務実務コース」などの無料実務講座もおすすめです。(運営: CPA会計学院)
資本準備金は英語で何て言うの?
「資本金」と似た勘定科目に「資本準備金」があります。資本準備金とは何でしょう?
資本準備金とは、「株主からの払込み額のうち資本金の1/2以下の金額を将来のリスク(支出や損失)に備えて積み立てるお金」です(日本基準)。
資本金と同じく、貸借対照表の純資産の部の勘定科目です。
「より詳しく知りたい」「過去に学んだが忘れてしまったので復習したい」という方は、MoneyForward会社設立さんの記事をご覧ください。
では、資本準備金は英語で何と言うのでしょうか?
正解は、Legal capital surplusです。
legalは「法的な」、capitalは「資本」、surplusは「剰余、余分」という意味です。
3語合わせたLegal capital surplusは「法的な資本金の余りの部分(=資本準備金)」ということですね。
資本剰余金は英語で何て言うの?
資本剰余金とは、「資本準備金+その他資本剰余金(資本取引から生じた剰余金)」のことです(日本基準)。その他資本剰余金には、自己株式処分差益などがあります。
配当原資になるという点で、その他資本剰余金は資本準備金と性質が異なります。
資本金と同じく、貸借対照表の純資産の部の勘定科目です。
では、資本剰余金は英語で何と言うのでしょうか?
正解は、Capital surplusです。
Capital「資本金」とsurplus「剰余」を合わせた覚えやすい表現ですね。
他にも、Share premiumやAdditional paid-in capital、Contributed Capitalという表現も使われます。
例文を見て使い方に慣れていきましょう。
資本剰余金とは、額面価格を超えて売却された普通株式の余剰部分のことをいう(US-GAAP)。
Capital surplus, or share premium refers to the surplus resulting after common stock is sold for more than its par value.
額面価格のない株式は資本剰余金ではなく、全ての払込金額を資本金として貸方に計上する(US-GAAP)。
Shares that have no par value generally do not have any capital surplus, and all funds from shares issued are credited to share capital.
参考動画
資本金などのEquityに関連する英語表現をもっと学びたいという方は、以下の動画をおすすめします。19分の長い動画ですが、丁寧なEquityの授業をイギリス英語で視聴できます。
まとめ:本日の復習

- 資本金は英語で『Share capital』
- 会社設立は『start or found or set up or create a company』
- 増資は『raise equity capital』
- 新株の発行は『issue new shares』
- 創立費は『Organization expenses』
- 開業費は『Business commencement expense/Start up costs』
- 資本準備金は『Legal capital surplus』
- 資本剰余金は『Capital surplus』
会計×英語の専門スキルに興味のある方へ
ビジネスの三種の神器「英語・IT・会計」のうち英語と会計を同時に取得するならUSCPAがおすすめです。監査法人、コンサル、金融、商社、外資系などの転職実績多数。USCPAは会計初学者でも合格できます。UACPA予備校大手のアビタスでは、USCPAの詳しい情報を資料請求やセミナーで無料公開中。
合わせて読みたい
◆次回の記事◆【約束手形・受取手形・支払手形・不渡手形】は英語で何て言う?米国公認会計士が解説!〜英文会計入門シリーズ第16回〜
-
【約束手形・受取手形・支払手形・不渡手形】は英語で何て言う?米国公認会計士が解説!〜英文会計入門シリーズ第16回〜
こんにちは。会計英語アカデミー運営者のわだけんです。 「英文会計入門」シリーズでは、英語で簿記や会計を理解したい方向けに、簡潔に分かりやすく英文会計の基本を解説しています。 この記事では ...