英文会計入門

【税効果会計】の頻出英語を覚えよう!米国公認会計士が解説!〜英文会計入門シリーズ第44回〜

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こんにちは。わだけんです。

 

「英文会計入門」シリーズでは、英語で簿記や会計を理解したい方向けに、簡潔に分かりやすく英文会計の基本を解説しています

この記事では「英文会計入門」第44回として、「税効果会計で頻出の英語表現を学びたい」という読者からのリクエストにお答えします。

 

前回の記事「第43回:監査の全体の流れを英語で学ぼう!」はコチラから。

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監査の全体の流れを英語で学ぼう!米国公認会計士が解説!〜英文会計入門シリーズ第43回〜

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税効果会計って英語でなんて言うの?

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税効果会計とは、会計上の税引前利益額と法人税等の期間的対応をはかる考え方で、すなわち「会社が当期いくらの税金を費用認識すべきか」を財務諸表に反映する考え方です。

 

では、「税効果会計」は英語でなんと言うのでしょうか?

 

答えは、「tax effect accounting」です。

 

税は"tax"、効果は"effect"、会計は"accounting"とそれぞれ英語にします。

他には"deferred tax"(直訳:先送りされる税金)という表現も見られるので覚えておきましょう。

 

例文

  • 税効果会計は、法人税等を差し引く前の利益と合理的に一致させるために適用される。
    Tax effect accounting is applied to reasonably match profits before deducting corporate and other taxes.

 

税効果会計の頻出英語を覚えよう

税引前利益と課税所得って英語でなんて言うの?

税効果会計のトピックに頻出の用語として「税引前利益」と「課税所得」があります。

財務会計上の「収益ー費用」で得られる「税引前利益」と、税法上の「益金ー損金」で算出される「課税所得」は、それぞれ別物なので基本的に不一致となります。

 

税効果会計を適用するには、個々の計上項目について財務会計上と税法上の取扱いを確認し、その差異の原因を把握しなければなりません。

 

では、「税引前利益」と「課税所得」はそれぞれ英語でなんと言うのでしょうか?

 

答えは、税引前利益が「pretax book income」、課税所得が「taxable income」です。

 

"pretax"は「税引前」、"book income"は「帳簿上の利益」を意味します。

他にも、「税引前利益」には、"pretax earnings" "pretax income" "book income" "income before taxes" "earnings before taxes"という表現も見られます。

"income"が"earnings"になったり、"pretax"が"before taxex"になったりするだけです。

 

ただし、開示科目「税引前当期純利益」は、"income before income taxes"という決まった表現があるので注意してください。

 

また、「課税所得」は「課税できる、課税対象の、有税の」を意味する"taxable"を頭につけて"taxable income"と表現します。

"taxable"は、「タクサブル」と読みます。

税金周りの業務を持っている方は、ぜひ押さえておきたい基本的な税務英語です。

 

例文

  • 法人税は企業の課税所得に対して支払われます。
    Corporate taxes are paid on a company's taxable income.

 

益金と損金って英語でなんて言うの?

上記で言及したように、会計上の税引前利益と税務上の課税所得は基本的に不一致となり、両者には差異が生じます。

その原因は、会計上の「収益」「費用」の範囲と、税務上の「益金」「損金」の範囲が異なるからでした。

税引前利益と課税所得に差異が生じる原因は次の4パターンに分けられます。

  1. 収益に計上されるが、益金には計上されないもの・・・益金不算入
  2. 収益に計上されないが、益金には計上されるもの・・・益金算入
  3. 費用に計上されるが、損金には計上されないもの・・・損金不算入
  4. 費用に計上されないが、損金には計上されるもの・・・損金算入

 

では、「益金」と「損金」はそれぞれ英語でなんと言うのでしょうか?

 

答えは、益金が「taxable revenue」、損金が「tax-deductible expense」です。

 

収益は"revenue"、費用は"expense"とそれぞれ英語で言います。

まずはこの基本的な会計英語をしっかり覚えてください。

 

「益金」は、収益を表す"revenue"に「課税できる、課税対象の、有税の」を意味する"taxable"を頭につけて"taxable revenue"と表現します。

 

一方、「損金」は、費用を表す"expense"に「税金から控除可能な」を意味する"tax-deductible"を頭につけて"tax-deductible expense"と表現します。

 

"deductible"というのは一見難しい単語にみえるかもしれません。

これは、「控除する、差し引く」という動詞"deduct"(読み:ディダクト)に、可能を表す接尾辞"able"を足した形容詞で、読み方は「ディダクティブル」です。

単語を2つに分解して意味を考えると覚えやすい税務英語です。

 

また、損金は"tax deduction"という別の表現をすることもあります。

 

ここで、"tax-deductible expense"や"tax deduction"は、「控除する」という意味の"deduct"を使っているので「税額控除」を意味するのでは?と疑問に思った方もいると思います。

 

結論から言うと、税額控除は"tax credit"という別の英語表現を使います。

例えば、外国税額控除は"foreign tax credit"と言います。

余裕のある方は、ぜひこちらも覚えておきましょう。

(参考記事はこちらの"Business Tax Credits Versus Business Tax Deductions"をご覧ください)

 

ちなみに、益金算入は"taxable"、益金不算入は"non-taxable"、損金算入は"deductible"、損金不算入は"non-deductible"のように表現することができます。

 

例文

  • 交際費は損金不算入です。
    Entertainment expenses are non-deductible.
  • その受取配当金は益金不算入か確認してもらえますか?
    Can you check if the dividend income is non-taxable?

 

永久差異と一時差異って英語でなんて言うの?

「永久差異」とは、税引前利益と課税所得との差異が永久に解消されないことを言います。

例えば、交際費、寄付金、受取配当金などが該当しますね。

 

一方、「一時差異」とは、将来の一時点において、課税所得が増加するもしくは減少することによって、税引前利益との差異が解消されることを言います。

減価償却費超過額、貸倒引当金超過額、繰越欠損金などが例として挙げられます。

税効果会計では、この一時的なズレを適切に期間配分する会計処理を行うわけですね。

 

では、「永久差異」と「一時差異」はそれぞれ英語でなんと言うのでしょうか?

 

答えは、永久差異が「permanent difference」、一時差異が「temporary difference」です。

 

"permanent"は「永久の」、"temporary"は「一時的な」をそれぞれ意味します。

 

  • 将来減算一時差異・・・deductible temporary difference
  • 将来加算一時差異・・・taxable temporary difference

 

余裕があれば、上記2つの税務英語も覚えておきましょう。

少し長い専門用語ですが、日本語と英語の単語がかなり対応しているので、意外と覚えるのが楽かもしれません。

 

繰延税金資産と繰延税金負債って英語でなんて言うの?

将来減算一時差異が発生したら、将来減少すると予想される税額を「繰延税金資産」として計上します。

また、将来加算一時差異が発生したら、将来増加すると予想される税額を「繰延税金負債」として計上しますね。

 

では、「繰延税金資産」と「繰延税金負債」はそれぞれ英語でなんと言うのでしょうか?

 

答えは、繰延税金資産が「deferred tax asset」、繰延税金負債が「deferred tax liability」です。

 

"deferred"というのは、「繰り延べる、延期する」と言う意味の動詞"defer"(発音:デファー)の過去分詞の形容詞的用法で、「繰り延べられた」を表します。

それぞれ頭文字を取って、繰延税金資産は"DTA"、繰延税金負債は"DTL"と省略されることが多いです。

 

例文

  • 繰延税金資産は、企業の将来の課税所得を減らします。
    A deferred tax asset reduces a company's taxable income in the future.

 

法人税等調整額って英語でなんて言うの?

繰延税金資産や繰延税金負債の相手勘定になるのが「法人税等調整額」というPL項目です。

財務会計上の税金費用の調整(期間配分)を行う勘定ですね。

 

英語では、"deferred tax expense"といいます。

ただし開示科目に使う場合は、"income taxes - deferred"という決まった表現があるので注意してください。

 

繰延税金資産の取り崩しって英語でなんて言うの?

将来の時点において、繰延税金資産の計上額以上の課税所得が見込めなければ、繰延税金資産は将来支払う税額を減少する効果を持たないことになります。

このように将来減算する課税所得が見込めなくなった場合、当該一時差異の解消の前に「繰延税金資産の取り崩し」が行われます。

 

では、「繰延税金資産の取り崩し」は英語で何と言うのでしょうか。

 

答えは、「reduce(減少する)」を使って表現します。

 

詳しくは、第20回「反対仕訳・洗替え・戻し入れ・取り崩しは英語でなんて言う?」というこちらの記事で解説しているので、ご覧ください。

 

他には、「繰延税金資産の評価を下げる」と言う意味で"devaluate"という動詞を使うこともあります。

"devaluate"とは、「ディバリュエイト」と読み、「価値を低くする、評価を下げる」という意味があります。

余裕があれば、この表現も覚えておくと便利です。

 

欠損金の繰戻し還付と繰越控除って英語でなんて言うの?

単年度の課税所得がプラスではなくマイナスとなると、税務上の欠損金が生じた状態になります。

その場合の取扱いについて、過去に支払った税金の還付を受け取ることを「欠損金の繰戻し還付」といい、当期の損失を将来の所得と損失することを「欠損金の繰越控除」といいます。

 

では、「欠損金の繰戻し還付」と「欠損金の繰越控除」はそれぞれ英語でなんと言うのでしょうか?

 

答えは、欠損金の繰戻し還付が「tax loss carryback」、欠損金の繰越控除が「tax loss carryforward」です。

 

まず、"tax loss"はシンプルに「欠損金」という意味です。

そして、"carryback"は「過年度に繰り戻す」、"carryback"は「次年度に繰り越す」と言う意味の会計英語です。

 

少し専門的な用語ですが、2つに分解すると分かりやすいので、税務担当者は覚えておくと便利です。

 

まとめ:本日の復習

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  • 「税効果会計」は英語でtax effect accounting
  • 「税引前利益」はpretax book income、「課税所得」はtaxable income
  • 「益金」はtaxable revenue、「損金」はtax-deductible expense
  • 「永久差異」はpermanent difference、「一時差異」はtemporary difference
  • 「繰延税金資産」はdeferred tax asset、「繰延税金負債」はdeferred tax liability
  • 「法人税等調整額」はdeferred tax expense
  • 「繰延税金資産の取り崩し」はreduce/devaluateを使う
  • 「欠損金の繰戻し還付」はtax loss carryback、「欠損金の繰越控除」はtax loss carryforward

 

いかがでしたか?

今回の内容が「英語力不足で全然わからなかった…。」という方は、こちらの記事で英語や会計系のオススメの資格を紹介しているので、よかったら覗いてみてください。

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今後も国際ビジネスの場で役立つ英文会計の知識をブログでまとめていきます。

社会人の教養として知っておきたい内容から、「この会計用語をどうやって英語で表現したらいいの?」という実務のお悩みまで幅広く取り扱う予定です。

休日の自己研鑽に遊びに来てもらえると嬉しいです(^^)

 

米国公認会計士わだけん

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