こんにちは。会計英語アカデミー運営者のわだけんです。
「英文会計入門」シリーズでは、英語で簿記や会計を理解したい方向けに、簡潔に分かりやすく英文会計の基本を解説しています。
この記事では「英文会計入門」第17回として、「有形固定資産・売却・廃却・除却は英語でなんて言うの?」という疑問にやさしくお答えします。
◆前回の記事◆【約束手形・受取手形・支払手形・不渡手形】は英語で何て言う?米国公認会計士が解説!〜英文会計入門シリーズ第16回〜
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目次
有形固定資産は英語でなんて言うの?
有形固定資産とは、会社の営業活動のため長期にわたり使用する目的で持っている形のある資産のことです。
例えば、「土地」「建物」「機械装置」「車両運搬具」「備品」などが有形固定資産に該当します。
では、「有形固定資産」は英語で何と言うのでしょう?
正解は"Property, plant and equipment"もしくは"Tangible fixed assets"です。
"Property(発音:プロパティ-)"は「資産、所有物、財産」、"plant"は「工場」、"equipment(発音:イクイップメント)"は「設備、備品」という意味の名詞です。
"Property, plant and equipment"は長い名詞なので、"PP&E"もしくは"PPE"と省略されます。
"Tangible(発音:タンジブル)"は「有形の」、"fixed"は「固定の」、"assets"は「資産」という意味です。
例
- 有形固定資産は1年より長く使用することが期待される有形の資産である。
PPE are tangible assets that are expected to be used for more than one year. - 有形固定資産の例は、土地、建物、パソコン、車両、機械などである。
Examples of tangible fixed assets are land, building, computer, vehicle, machinery, etc.
有形固定資産の関連用語
有形固定資産の当初認識や測定って英語でなんて言うの?
有形固定資産などの取得時に、最初に勘定科目をB/Sに計上することを「当初認識」といいます。
また、その勘定科目の帳簿価額が取得後いくらになるか計算することを「測定」といいます。
では、有形固定資産の「当初認識」や「測定」は英語でなんと言うでしょう?
正解は、当初認識が"Initial recognition"、測定が"Measurement"です。
"Initial"は「当初」という意味の名詞で「イニシャル」と読みます。
"Recognition"は、動詞"recognize(イギリス英語:recognise)"「認識する」の名詞形で「レコッグニション」と読みます。
豆知識
会計英語では"A is recognized as B"で「AはB(資産や費用など)として認識される」という用法でよく使われます。
"Measurement"は「測定」という意味の名詞です。動詞"measure"は「測定する」という意味で、会計英語では"recognize(recognise)"と同じくらいよく見る単語です。
これらの単語は、IFRSの原文など硬めの英文を読むときに出てくるので、覚えておくと便利です。
例
- 有形固定資産は取得原価で当初認識されるべきである。
PPE should initially be recognized at its cost. - 公正価値が信頼性を持って測定できる場合、有形固定資産は再評価された金額で帳簿価額に記録されることがある(IFRS)。
PPE may be carried at a revalued amount where its fair value can be measured reliably.
有形固定資産の減価償却って英語でなんて言うの?
有形固定資産は使用や時間の経過とともにその価値が減少します。
そのため有形固定資産は取得原価を使用期間に渡って費用計上する減価償却が行われますね。
簿記検定では決算整理事項としてよく問題に出されます。
では、「減価償却」は英語で何と言うのでしょうか?
正解は"Depreciation"です。
"Depreciation"は「~の価値を下げる、減価償却する」と言う意味の動詞"depreciate"の名詞形です。発音は「ディプリシエイション」です。
英文会計入門シリーズ第6回「減価償却費は英語でなんて言う?」で丁寧に解説していますので、詳しく知りたい方は参考にしてください。
【減価償却費】は英語でなんて言う?米国公認会計士がやさしく解説!〜英文会計入門シリーズ第6回〜
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有形固定資産の売却、廃却、除却、オフバランスって英語でなんて言うの?
建物や土地などの有形固定資産は使えなくなると、他のところで売ったり捨てたりしますが、このとき簿記の世界では、「売却」「廃却」「除却」「オフバランス」といった専門用語を使います。
売却は「売る」こと、廃却は「捨てる、処分する」こと、除却は「事業の用途から外す」こと、オフバランスは「B/Sから消す」ことを表します。
では、それぞれ英語で何というでしょうか?
売却するは"Sell"、廃却するは"Dispose of"、除却するは"Retire"、オフバランスは"Write offもしくはRemove from the balance sheet"です。
「売却する」はシンプルに「売る」という意味の"Sell"が使われます。
"Dispose"は「片づける、処分する」という意味の動詞で、前置詞ofと一緒に使います。発音は「ディスポーズ」です。
"Retire"は「退職する」という意味の動詞ですが、固定資産に対して使うときは会計英語で「本来の事業用途から外す」つまり「除却する」を意味します。発音は「リタイヤ」です。
"Write off"は「帳簿から消す」という意味の動詞です。つまり、B/Sから外す、オフバランスするということですね。有形固定資産だけでなく、売掛金や棚卸資産などにも使える表現です。
他には、シンプルに"Remove from the balance sheet"という表し方もよく見ます。
それぞれの単語を使った例文を確認していきましょう。
例
- ある会社が減価償却累計額$1,000の機械$,3000を$500で売却する。
A company sells a $3,000 machine for $500 in cash, after recording $1,000 of accumulated depreciation. - 有形固定資産を廃却するとき、取得原価と減価償却累計額は会計記録から除外されなければならない。
When a company has a disposal of tangible fixed assets, the original cost and the accumulated depreciation must be removed from the accounting records. - ある会社が減価償却済みの$50,000の機械を除却した。
A company retired a fully depreciated machine that cost $50,000. - 有形固定資産は、将来的な使用がなくなったとき、売却や廃却が決まったときにオフバランスされる。
PPE are written off when they are determined that there is no further use for the assets, or if the assets are sold off or disposed of.
まとめ:本日の復習
- 有形固定資産は英語で『Property, plant and equipment/Tangible fixed assets』
- 当初認識は『Initial recognition』
- 測定は『Measurement』
- 減価償却は『Depreciation』
- 売却するは『Sell』
- 廃却するは『Dispose of』
- 除却するは『Retire』
- オフバランスは『Write off/Remove from the balance sheet』
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