こんにちは。会計英語アカデミー運営者のわだけんです。
「英文会計入門」シリーズでは、英語で簿記や会計を理解したい方向けに、簡潔に分かりやすく英文会計の基本を解説しています。
この記事では「英文会計入門」第40回として、「内部統制の概念を学ぶにあたって頻出の会計英語を教えてほしい」というリクエストにお答えします。
なお、今回の内容はUSCPAの範囲で説明しますので、日本基準とは内容が異なる可能性があること予めご承知おきください。
◆前回の記事◆【仮受金・前受金・未払金・未払費用】は英語で何て言う?米国公認会計士が解説!〜英文会計入門シリーズ第39回〜
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【仮受金・前受金・未払金・未払費用】は英語で何て言う?米国公認会計士が解説!〜英文会計入門シリーズ第39回〜
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内部統制は英語でなんて言うの
内部統制とは「財務諸表の信頼性を得るための企業の内部プロセス」のことをいいます。
その目的は、業務の有効性及び効率性(Efficient organizational operation capability)、財務報告の信頼性(Production of accurate financial reporting)、事業活動に関わる法令などの遵守(Compliance with all rules and regulations)を達成することとされています。
では、「内部統制」は英語で何と言うのでしょうか?
答えは、"internal control"です。
「内部」は"internal"、「統制」は"control"といいます。
「内部統制」という言葉は英語の方がシンプルに聞こえるかもしれません。
例文を見ていきましょう。
例文
- 企業にとって、適切な内部統制を確立することは非常に重要です。
Establishing proper internal controls is vital for businesses. - 内部統制にかける費用はそこから期待される便益を超えるべきではありません。The cost of internal control should not exceed the expected benefits.
例文2.の「内部統制にかける費用<内部統制による便益」という考えは、「合理的保証」とよばれ、"reasonable assurance"と英語で表現します。
内部統制の構成要素は英語でなんて言うの
内部統制は、5つの要素から構成されており、各要素が適正な場合に全体として内部統制が適正であると考えられています。
統制環境
「統制環境」とは、経営者や従業員など組織構成員の内部統制に対する意識や認識そのものをいいます。
「統制環境」は組織風土を決定し、組織構成員の内部統制に対する意識に重要な影響を与え、また、他の4つの構成要素の基盤と位置付けられています。
なぜなら、多くの重大な不正から生じる財務報告の虚偽の表示が、経営者自身もしくは経営者の黙認のもとに行われるからです。
統制環境の例として、報復の心配なしに企業の不正を報告ができる「ホットライン」の存在などがあります。
では、「統制環境」は英語で何と言うのでしょうか?
答えは、"control environment"です。
「統制」は"control"、「環境」は"environment"といいます。
例文
- 経営者は、方針・手続き・プロセス・仕組みを通じて、企業の内部統制を実施するための基盤となる統制環境を構築します。
Top management establishes the control environment through policies, procedures, processes, and structures providing the basis for carrying out internal controls in a firm.
リスク評価
「リスク評価」とは、財務諸表の作成においてGAAP違反を生じさせる様々なリスクを識別・分析・管理するプロセスのことです。
企業が財務データを適切に記録・処理・報告することに影響を及ぼすリスクには、「新しい会計通達」「事業活動を取り巻く環境の変化」「会社の急速な成長」「新しいビジネスモデル・新製品・新しい事業活動」などがあります。
では、「リスク評価」は英語で何と言うのでしょうか?
答えは、"risk assessment"です。
「リスク」は"risk"、「評価」は「評価する」という意味の動詞"assess"の名詞形"assessment"と英語で表現します。
例文
- リスク評価では、どの重要なプロセスが誤謬に陥りやすく、企業に量的・質的に重大なリスクをもたらす可能性があるかを特定することができます。
A risk assessment can identify which critical processes might be susceptible to errors and create quantitatively and qualitatively significant risks for a company.
情報と伝達
「情報と伝達」とは、財務データに必要な情報が識別・把握・処理され、関係者相互に正しく伝えられることを確保するプロセスのことです。
例えば、会計システムから生成された情報の「質」は、経営者が企業活動を統制や信頼性のある財務報告に影響を与えると考えられています。
では、「情報と伝達」は英語で何と言うのでしょうか?
答えは、"information and communication"です。
「情報」は”information”、「伝達」は”communication”とそれぞれ英訳します。
統制活動
「統制活動」とは、不正を生じさせるリスクを識別・分析・管理したうえで、このリスクを統制するため方針や手続きを行うプロセスのことです。
統制活動は、次の4要素から構成されます。
- 取引の承認・記録・保管を独立した担当者が行う「職務の分離(Segregation of Duties)」
- 資産や記録の物理的セキュリティを強化する「物理的統制(Physical control)」
- 予算を実績と比較し、差異分析を行う「業務状況のレビュー(Performance Review)」
- 取引の正確性・網羅性・承認をチェックする「情報処理(Information Processing)」
では、「統制活動」は英語で何と言うのでしょうか?
答えは、"control activities"です。
「統制」は”control”、「活動」は"activities"といいます。
例文
- 統制活動では、職務の分離、物理的統制、業務状況のレビュー、情報処理などの業務をどのように取り扱っているか見ていきます。
Control activities look at how to handle tasks such as delegation of duties, physical control, performance review, as well as information processing.
監視活動
「監視活動(モニタリング)」とは、内部統制が有効に機能しているかを評価し、必要に応じて修正を行うプロセスのことです。
このプロセスは、「日常的監視活動(ongoing activities)」と「個別的評価(separate evaluations)」の組み合わせによって実施されます。
では、「監視活動」は英語で何と言うのでしょうか?
答えは、"monitoring activities"です。
「監視」は"monitoring"、「活動」は"activities"といいます。
単に"monitoring"とだけ表現することもあります。
例文
- 監視活動は、日常的監視活動、個別的評価、またはその2つの組み合わせで構成されます。
Monitoring activities may consist of ongoing activities, separate evaluations, or a combination of the two.
内部統制の5要素を映像を見ながら英語で学習したい方は、次のYouTube動画がおすすめです。
https://www.youtube.com/watch?v=l5_n4yi9dMU
まとめ:本日の復習
- 内部統制は英語で「Internal Control」
- 統制環境は「Control Environment」
- リスク評価は「Risk Assessment」
- 情報と伝達は「Information and Communication」
- 統制活動は「Control Activities」
- 監視活動は「Monitoring Activities」
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