こんにちは。会計英語アカデミー運営者のわだけんです。
「英文会計入門」シリーズでは、英語で簿記や会計を理解したい方向けに、簡潔に分かりやすく英文会計の基本を解説しています。
この記事では「英文会計入門」第5回として、「借方・貸方は英語でなんて言うの?」という疑問にやさしくお答えします。
◆前回の記事◆【利益】は英語でなんて言う?米国公認会計士がやさしく解説!〜英文会計入門シリーズ第4回〜
-
-
【利益】は英語でなんて言う?米国公認会計士がやさしく解説!〜英文会計入門シリーズ第4回〜
こんにちは。会計英語アカデミー運営者のわだけんです。 「英文会計入門」シリーズでは、英語で簿記や会計を理解したい方向けに、簡潔に分かりやすく英文会計の基本を解説しています。 この記事では ...
借方・貸方は英語でなんて言うの?
借方・貸方の概念は、簿記の最初の方に習いますね。仕訳の左側を借方、右側を貸方といいます。
借方は資産の増加、費用の発生を記録します。また、負債や純資産、収益の減少も記録します。
一方、貸方は負債や純資産の増加、収益の発生を記録するものです。借方とは反対に、資産や費用の減少も記録します。
それでは、借方・貸方は英語でなんて言うのでしょうか?
正解は、借方が「debit」、貸方が「credit」です。
「どっちが"debit"でどっちが"credit"?」と忘れてしまうことがあるかもしれません。
そしたら、次のように思い出すのがおすすめです。
「デビットカード」や「クレジットカード」ってありますよね。
デビットカードは自分の口座のお金(資産)から支払うカードで、クレジットカードはカード会社からお金を借りて(負債)支払うカードです。
デビットカードは資産から支払い、クレジットカードは負債を増やして支払う、というわけです。
イギリスの職場から
イギリスの職場では顧客からの銀行引き落としを「Direct Debit(ディレクト・デビット)」と呼び、「DD(ディー・ディー)」と省略します。
どちらが"debit"でどちらが"credit"か迷ったら、カードのことを思い出すといいでしょう。
借方・貸方の使い方
「名詞」として使う
debitとcreditは数えられる名詞(可算名詞)です。
したがって、複数の勘定科目を借方・貸方に記帳している場合は、借方はdebits、貸方はcreditsと複数形の「s」が付きます。
例
- 借方は常に仕訳の左側にある。
A debit is always positioned on the left side of an entry. - その会社は借方に現金の増加を、貸方に収益の発生を記録する。
The company will record an increase of the cash account with a debit, and an increase of the revenue account with a credit. - 彼らは備品のコスト2,000を固定資産勘定の借方に追加した。
They added the cost of the equipment as a debit of 2,000 to the fixed asset account. - ある取引の借方の合計と貸方の合計は一致していなければならない。
The total amount of debits must equal the total amount of credits in a transaction.
「動詞」として使う
debitやcreditは「借方に計上する」「貸方に計上する」という意味の他動詞としても使います。
例
- 「〇〇勘定を借方に計上する」・・・debit ~ account
- 「〇〇勘定を貸方に計上する」・・・credit ~ account
上記のような使い方をします。
具体的な金額を示す場合は、"debit the cash account for 500,000 yen"のように、"for"の後に具体的な金額を置きます。
例
- 借方に借入金1,000、貸方に現金1,000を計上する必要がある。
You need to debit the loans payable account for 1,000 and credit the cash account for the same amount. - 現金を受け取ったとき、現金勘定は借方に計上される。現金を支払ったとき、現金勘定は貸方に計上される。
When cash is received, the cash account is debited. When cash is paid out, the cash account is credited. - 会社が新車を購入すると、借方に固定資産が計上される。
When a company purchases a new vehicle, a fixed asset account is debited.
「Dr」や「Cr」と略して使う
仕訳の借方"debit"と貸方"credit"は、一般的にそれぞれ「Dr」「Cr」と省略します。
会計英語として一緒に覚えてしまいましょう。
豆知識
「Dr」「Cr」と表示する理由には諸説あるようです。investopediaの記事を参考にしてください。
当該記事には以下の3つの説が紹介されています。
例
- ラテン語のdebitum creditum
- debtor/creditor
- debit record/credit record
どの説が正しいのかは分かりませんが、「借方(Debit)/貸方(Credit)を記録する(recordする)」と考えると覚えやすいかもしれません。
参考動画
「借方」「貸方」の表現を英語でもう少し学習したいという方には、以下の動画がおすすめです。どちらも7分程度の動画でサクッと視聴できます。
<名詞のDebit Creditの復習>
https://www.youtube.com/watch?v=cHzCOA3b9So
<動詞のDebit Creditの復習>
https://www.youtube.com/watch?v=07w7g3Exze4
勘定科目は英語でなんて言うの?
勘定科目は、借方・貸方の紹介で目にした英語ですね。
正解は「account」です。
シンプルな会計英語です。発音は「アカウント」で問題ありません。
使い方の例を紹介します。
例
- asset accounts(資産勘定)
- liability accounts(負債勘定)
- equity accounts(資本勘定)
- revenue accounts(収益勘定)
- expense accounts(費用勘定)
会社の勘定科目一覧表は「Chart of accounts」、略してCOAと言ったりします。合わせて覚えると便利です。
では、簿記の学習でよく出てくる「T勘定」は英語でなんと言うのでしょうか?
正解は「T-account」です。そのまま覚えましょう。
まとめ:本日の復習
- 借方は英語で『debit』
- 貸方は英語で『credit』
- debitとcreditは可算名詞
- debitとcreditは他動詞としても使う
- Drは借方、Crは貸方という意味
- 勘定は英語で『account』
あわせて読みたい
◆次回の記事◆【減価償却費】は英語でなんて言う?現役の米国公認会計士がやさしく解説!〜英文会計入門シリーズ第6回〜
-
-
【減価償却費】は英語でなんて言う?米国公認会計士がやさしく解説!〜英文会計入門シリーズ第6回〜
こんにちは。会計英語アカデミー運営者のわだけんです。 「英文会計入門」シリーズでは、英語で簿記や会計を理解したい方向けに、簡潔に分かりやすく英文会計の基本を解説しています。 ...