こんにちは。会計英語アカデミー運営者のわだけんです。
「英文会計入門」シリーズでは、英語で簿記や会計を理解したい方向けに、簡潔に分かりやすく英文会計の基本を解説しています。
この記事では「英文会計入門」第6回として、「減価償却費は英語でなんて言うの?」という疑問にやさしくお答えします。
◆前回の記事◆【借方・貸方】は英語でなんて言う?米国公認会計士がやさしく解説!〜英文会計入門シリーズ第5回〜
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【借方・貸方】は英語でなんて言う?米国公認会計士がやさしく解説!〜英文会計入門シリーズ第5回〜
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減価償却費は英語でなんて言うの?
減価償却とは、固定資産の取得コストを使用可能期間にわたって分割して費用計上することです。
その目的は、減価償却を通して毎年少しずつ費用計上することにより、各年の利益を正確に計算することですね。
では、減価償却費は英語でなんて言うのでしょうか?
正解は"depreciation"です。
「~の価値を下げる、減価償却する」と言う意味の動詞、"depreciate"の名詞形です。
発音はやや難しいですが「ディプリシエイション」です。
"depreciate"を聞いたことがない方も、"appreciate(発音:アプリシエイト)"なら分かるのではないでしょうか。
"appreciate"は「~をありがたく思う、感謝する」という意味の動詞で有名ですが、「価値が上がる、価格が騰貴する」という意味もあります。
接頭辞ap-の代わりに「下へ」という意味の接頭辞de-を付けると、「~の価値を下げる、減価償却する」という真逆の意味になるわけです。
よく使うビジネス英語としても有名なので、"depreciate"や"depreciation"は覚えておくと便利です。
例
有形固定資産の重要な構成要素はそれぞれ個別に減価償却されるべきである。
Each significant part of an item of PPE should be depreciated separately.
IFRSでは「コンポーネント・アカウンティング」といって、有形固定資産を重要な構成要素に分けて個別に減価償却を行います。
より詳しく知りたい方はKPMGオンライン基礎講座をご参照ください。
例
- その資産が使用可能になった時から減価償却費の計上が始まるべきである。
The charging of depreciation should begin when the asset is ready for use. - その資産が稼働していない間も減価償却費は継続して計上される。
During period when the asset is standing idle, depreciation continues to be charged. - 法人は少なくとも年に1回は減価償却方法を見直すよう求められている。
An entity is required to review the depreciation method at least once a year.
減価償却費の関連用語を覚えよう
減価償却費"depreciation"と一緒に使われやすい会計英語も覚えていきましょう。
減価償却費の関連用語は比較的多いですが、ここでは特に基本的かつ重要な10単語に絞りました。
最初は覚えるのに時間がかかるかもしれませんが、専門用語は何度も見るうちに慣れてくるものです。
何度か繰り返し声に出すと記憶が定着しやすくなるのでおすすめです。
日本語 | 英語 |
有形固定資産 | property, plant and equipment, PP&E, PPE, tangible fixed assets |
取得原価 | cost, acquisition cost |
残存価額 | residual value, salvage value |
帳簿価額 | carrying amount |
償却可能価額 | depreciable amount |
耐用年数 | useful life |
定額法 | straight-line method |
定率法 | diminishing balance method, declining balance method |
生産高比例法 | unites of production method |
減価償却累計額 | accumulated depreciation |
これらの単語を使った例文を7つ紹介します。
専門用語を使った文章を作るのは正直難しいので、「こんな感じで使われるんだな」という程度に見てもらえれば嬉しいです。
例
- ある法人が耐用年数40年の新しい建物を100,000で取得した。
An entity has acquired a new building with a useful life of 40 years for 100,000. - 減価償却費は定額法で計算されている。
Depreciation is being calculated on a straight-line basis. - その資産の残存価額はゼロである。
The asset has no residual value. - その建物は残存価額ゼロ、耐用年数50年の定額法で減価償却される。
The building is depreciated over 50 years on a straight-line basis with no residual value. - 定率法においては、帳簿価額に対して一定率かけた金額が減価償却費になる。
Depreciation is charged at a fixed percentage on the book value of the asset under the diminishing balance method. - 生産高比例法は、飛行機や車両、コピー機などの減価償却に役に立つ可能性がある。
The units of production method can be useful for depreciating airplanes and vehicles, printing machines, etc. - 各期の貸借対照表の資産の帳簿価額は、減価償却費が控除されている。
In each period the carrying amount of an asset in the statement of financial position is reduced by the depreciation charged.
「固定資産の会計処理を英語でもっと学習してみたい!」という方はACCA(イギリス勅許公認会計士協会)がスタディー・リソースを出しているのでご参照ください(全文英語)。
なお、ここではIFRSでの会計処理が説明されています。
また、英文会計入門シリーズ第17回「有形固定資産は英語でなんて言う?」で有形固定資産の取得から売却までの重要な会計英語を解説しています。
あわせてご一読いただけると嬉しいです。
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【有形固定資産・売却・廃却・除却】は英語でなんて言う?米国公認会計士が解説!〜英文会計入門シリーズ第17回〜
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参考動画
減価償却費の関連用語は覚えることが多いので、数をこなして慣れていくことが大切です。
今回学んだ用語を復習したい方は、英語ネイティブが減価償却の基礎を解説した以下の動画がおすすめです。5分ほどの動画でサクッと視聴できますよ。
https://www.youtube.com/watch?v=IKihYinXmIg
まとめ:本日の復習
- 『減価償却費』は英語で『depreciation』
- 『有形固定資産』は英語で『property, plant and equipment/PP&E/PPE』
- 『取得原価』は英語で『cost/acquisition cost』
- 『残存価額』は英語で『residual value/salvage value』
- 『帳簿価額』は英語で『carrying amount』
- 『償却可能価額』は英語で『depreciable amount』
- 『耐用年数』は英語で『useful life』
- 『定額法』は英語で『straight-line method』
- 『定率法』は英語で『diminishing balance method/declining balance method』
- 『生産高比例法』は英語で『unites of production method』
- 『減価償却累計額』は英語で『accumulated depreciation』
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