【海外駐在員の英会話】第3回ビジネスで使えたらかっこいい英語のイディオム表現を覚えよう

2021年9月6日

 

こんにちは。会計英語アカデミー運営者のわだけんです。

 

「海外駐在員の英会話」シリーズでは、イギリス駐在員(TOEIC 900超)がイギリス人ネイティブから学んだ、ビジネス英語・日常英会話をわかりやすく丁寧に解説します。

実際のネイティブとの会話はもちろんのこと、TOEIC・英検対策にも役に立つ内容になっています

 

この記事では、日本人の中では英語は得意な方だけど、映画やドラマが字幕なしで理解できるほどネイティブの表現に慣れていない、という英語中級者向けに、ビジネスでよく使うカッコイイ英語のイディオム表現をご紹介します。

ネイティブがよく使うイディオムを覚えることは、英語中級者から英語上級者へレベルアップする一歩となります

 

◆前回の記事◆【海外駐在員の英会話】第2回ビジネスで使えたらかっこいい英語のイディオム表現を覚えよう

ネイティブのかっこいいイディオム表現

① by the book

 

"by the book"は、直訳で「本の通りに、本に従って」という意味です。

この"the book"は、普通の本ではなく、物事を行うにあたって参照すべき重要な本のことを指します。

つまり、このイディオムは、「ルールに厳密に従って、規則の通りに、杓子定規に」という意味で使用します。

 

You need to do it by the book.

(あなたはルール通りに行う必要がある。)

 

② the bottom line

 

"the bottom line"は、直訳で「一番下/底のライン」です。

このイディオムは、よくビジネスの現場で出てくるので、英語で仕事をしたい人は必ず覚えましょう。

 

"the bottom line"は、「損益計算書の一番下の行」を意味し、要は「当期純利益(最終利益)」のことを指しています。

"net income"や"profit"と同じ意味ですが、ビジネス用語として定着しています。

なお、ビジネスの様々な「利益」の表現が分からない方は、【利益】は英語でなんて言う?米国公認会計士がやさしく解説!〜英文会計入門シリーズ第4回〜で紹介しているので参考にしてください。

 

また、当期純利益(最終利益)は、「ビジネスにおいて最も重要なこと」であることから、"the bottom line"は「肝心な点、重要な点、結論」という意味もあります。

こちらもよく聞く表現なので覚えておきましょう。

 

「当期純利益」か「肝心な点、結論」のどちらを意味しているかは、スピーカーの文脈によって異なります。話の流れを理解して、判断しましょう。

 

The bottom line is that this project will not be profitable.

(要するに、このプロジェクトは採算が合わないということです。)

 

③ one's hands are tied

 

"one's hands are tied"は、直訳で「~の両手が縛られている」という意味です。

仲間がピンチのとき、自分の両手が縛られてどうしようもなくなっている場面をイメージしてください。

 

このイディオムは、「(規則やルール、立場、状況の)制限があるせいで自分にはどうにもならない、自由に動くことができない」という意味で使います。

 

例えば、仲間から仕事の手伝いをお願いされたけれど、事情があって助けてあげられないときなどに使える表現です。

 

I'd like to help my colleague but my hands are tied.

(同僚を助けてあげたいけど、私にはどうしようもできません。)

 

④ back to the drawing board

 

"back to the drawing board"は、直訳で「製図版に戻る」という意味です。

何かの計画や構想をする際に使用する製図版に戻ってやり直すところをメージしてください。

 

このイディオムは、「(当初の計画が上手く行かなかったので、振り出しに戻って)計画段階からやり直す」という意味で使います。

 

覚えておくと便利な表現ではありますが、実際に使うシチュエーションが訪れたら困っちゃいますね。

 

We need to go back to the drawing board and make a new plan to solve the issue.

(この問題を解決するためには、振り出しに戻って新たな計画を立てる必要があります。)

 

⑤ a long shot

 

"a long shot"は、直訳で「遠くに離れた的を射ること」です。

はるか遠い場所からターゲット(目的、目標)を狙いに行く様子をイメージしてください。

 

このイディオムは、「成功する可能性が低いことやモノ、期待がゼロに近いことやモノ」を表す表現です。

 

必ずしもネガティブな文脈で使うイディオムではなく、「期待度は低いけど、トライする価値はある」と言いたいときに使えます。

 

I know it's a long shot but worth a try.

(望みは薄いかもしれませんが、試してみる価値はあると思います。)

 

⑥ from the ground up

 

"from the ground up"は、直訳で「グラウンド(土地)から上に向けて」という意味です。

新しく建物を建てるときに、基礎のグラウンド(土地)からスタートする様子をイメージしてください。

 

このイディオムは、「最初から、ゼロから」という意味で使われます。

"from scratch"と同じ意味ですが、"from the ground up"は、どちらかというとビジネス関連で使われることが多いです。

 

他には、「完全に、徹底的に」という意味で使われることもあります。

"completely"や"thoroughly"よりもインフォーマルな表現です。

 

My grandfather started his business from the ground up 40 years ago.

(私の祖父は、40年前に一から事業を始めました。)

 

⑦ call it a day

 

"call it a day"は、直訳で「それを一日と呼ぶ」という意味です。

一日分の仕事を区切っているところをイメージしてください。

 

よく職場で、「今日の仕事を終わりにする」という意味で使われるイディオムです。

 

チームで時間に追われながらプロジェクトを進めているが、夜遅くなり「もう今日は終わりにしよう」と声を掛けるときに使えます。

 

We've done enough work today. Let's call it a day.

(今日はもう十分仕事をしました。これで終わりにしましょう。)

 

⑧ table something

 

"table"は、名詞で「テーブル、机、表、目録」などの意味がありますね。

ビジネス英語では、動詞「一旦保留する、議論を先延ばしにする、後で話し合う」として使われます。

 

アメリカでは日常会話でもよく耳にするので、アメリカ出身の人と会話する機会のある人は覚えておきましょう。

 

Let's table the topic and discuss it at a later date.

(このトピックは一旦保留して、後日議論しましょう。)

 

⑨ a lot of/lots of moving parts

 

"moving parts"は、直訳で「動くパート、可動部分」という意味です。

複雑な状況や計画の中に、動く可能性のある要素が存在することをイメージしてください。

 

この表現は、今後も動く可能性があるもの、ということで「未確定要素」を意味するイディオムです。

 

"moving parts"は、"a lot of/lots of(多くの)"とセットで使われるのをよく見ます。

"a lot of/lots of moving parts"という塊で覚えるのがおすすめです。

 

There are still a lot of moving parts in the new project.

(新しいプロジェクトにはまだ未確定要素が多いです。)

 

⑩ touch base with someone

 

"touch base with someone"は、直訳で「~と一緒にベースにタッチする」という意味になります。

野球でランナーがベースを踏んで一周し、ホームに帰ってくる様子をイメージしてください。

ベースを踏んで周ることで、「物事が順調に進んでいるか分かる」様子から、このイディオムは、「~と連絡を取って確認する」という意味で使われます。

 

I'll touch base with her to let her know that the next meeting has been cancelled.

(次の会議が中止になったと知らせるために、彼女に連絡を取ります。)

 

学習の最後に

 

いかがでしたか?

英語力の土台にあるのは『語彙力の強化』です。語彙力を強化すれば、「読む・聞く・話す・書く」のすべての能力が底上げされます。

「塵も積もれば山となる」です。一緒にコツコツ頑張っていきましょう。