【約束手形・受取手形・支払手形・不渡手形】は英語で何て言う?米国公認会計士が解説!〜英文会計入門シリーズ第16回〜

2021年2月9日

 

こんにちは。会計英語アカデミー運営者のわだけんです。

「英文会計入門」シリーズでは、英語で簿記や会計を理解したい方向けに、簡潔に分かりやすく英文会計の基本を解説しています

この記事では「英文会計入門」第16回として、「約束手形・受取手形・支払手形・不渡手形は英語でなんて言うの?」という疑問にやさしくお答えします

◆前回の記事◆【資本金・資本準備金・資本剰余金】は英語で何て言う?米国公認会計士がやさしく解説!〜英文会計入門シリーズ第15回〜

【資本金・資本剰余金・自己株式】は英語で何て言う?米国公認会計士がやさしく解説!〜英文会計入門シリーズ第15回〜

  こんにちは。会計英語アカデミー運営者のわだけんです。   「英文会計入門」シリーズでは、英語で簿記や会計を理解したい方向けに、簡潔に分かりやすく英文会計の基本を解説しています。 ...

約束手形は英語でなんて言うの?

 

約束手形(やくそくてがた)とは、振出人(=支払人)が名宛人(=受取人)に対して、ある期日までにある金額を支払う約束をする証書のことを言います。

商品やサービスの販売時(購入時)に、お金の代わりに受け取り(振り出し)ます。

支払う側から考えると、手元に十分なお金がなくても期日までにお金の準備をすればいいので、小切手を振り出すよりも支払いを遅らせられるというメリットがあります

豆知識

「期日に支払います」という約束手形を振り出すには『信用』が必要で、サプライヤーと信頼関係を築く必要があります。

では、約束手形は英語で何と言うのでしょうか?

正解は『Promissory notes』です。

Promissoryは「約束や保証の性質のある」という意味の形容詞で「プロミソリー」と読みます。

正直なところ「約束手形」以外でこの単語を見たことがありません。マニアックな上級単語だと思います。

Noteは「メモ、ノート、記録、文書」という意味があります。

したがって、Promissory notesで、「(支払いの)約束を記す記録(=約束手形)」という会計の専門用語を表します。

例文を見ていきましょう。

約束手形とは、ある当事者が別の当事者に将来の指定した日付に決められた金額を支払うと書面で約束した金融商品のことです。

A promissory note is a financial instrument that contains a written promise by one party to pay another party a definite sum of money at a specified future date.

約束手形が書き換えられたり、正しく書かれていなかったりしたら、その約束は法的に無効になります。

If a promissory note has been altered or it wasn't correctly written, the contract becomes null and void.

約束手形の関連用語

受取手形は英語で何て言うの?

商品やサービスと引き換えに、約束手形を受け取った名宛人(=受取人)は、将来お金をもらう権利を得ます。

将来お金が流入する権利は、簿記では資産としてカウントします。

そのため受取人は「受取手形(うけとりてがた)」という資産勘定を記録します。

では、受取手形は英語で何と言うのでしょうか?

正解は「Notes receivable」です。

Receivableは「債権」という意味の会計英語です。

英文会計入門シリーズ第12回『売上・仕入は英語でなんて言う?』の記事で解説した売掛金の英語(=Accounts receivable)と考え方は同じです。

【売上・仕入・売上原価・売掛金・買掛金】は英語でなんて言う?米国公認会計士がやさしく解説!〜英文会計入門シリーズ第12回〜

  こんにちは。会計英語アカデミー運営者のわだけんです。 「英文会計入門」シリーズでは、英語で簿記や会計を理解したい方向けに、簡潔に分かりやすく英文会計の基本を解説しています。 この記事では ...

つまり、Notes receivableで「手形の債権」を表しています。

このように会計英語は他の用語と関連付けると、覚えやすいのでオススメです。

例文を一緒に確認しましょう。

受取手形は、通常残高に対して利息収入を得る。

A note receivable usually earns interest revenue on the outstanding amount.

支払手形は英語で何て言うの?

次に、約束手形を振り出した振出人(=支払人)サイドを考えていきましょう。

商品やサービスの購入の対価として約束手形を振り出した振出人は、将来お金を支払う義務を負います。

その将来お金が流出する義務は、簿記では負債としてカウントします。

そのため支払人は「支払手形(しはらいてがた)」という負債勘定を記録します。

では、支払手形は英語で何と言うのでしょうか?

正解は「Notes payable」です。

Payableは「債務」という意味の名詞で、Notes payableで「手形の債務」を表します。

買掛金をAccounts payableと言うのと似ていますね。

こちらも例文を見ていきましょう。

支払期日に会社は元本および手形に記載の利率で利息を支払わなければならない。

On the maturity date, a company has to pay the principal amount plus the interest at the rate mentioned in the notes payable.

手形の割引は英語で何て言うの?

約束手形を受け取った側は、約束手形の満期日まで代金の受け取りを待たされることになります。

一般的には、30日、60日、90日…と30の倍数が支払期日に設定されています。

大企業の取引では半年から1年先ということもあるでしょう。

資金繰りに余裕があれば問題ありませんが、手元のお金が少なくなり「すぐ現金化したい」という場合は、一つの手段として「手形の割引」があります

手形の割引とは、受取手形を銀行に持っていき手数料(割引料)を支払う代わりに、手形を買い取ってもらい現金化することです。

では、手形の割引は英語で何と言うのでしょうか?

正解は「Discounting notes receivable」です。

Discountは「割引する」という意味の動詞です。

つまり、「受取手形の割引」というシンプルな表現になります。

例文を見ていきましょう。

受取手形の割引とは、銀行で手形をディスカウントすることで即座に現金化することである。

Discounting a note receivable is getting quick cash by discounting a note at a bank.

会社は手形の割引の仕訳について、借方に受け取った代金を「現金」、貸方に手形の額面価格を「受取手形」、借方に差額を「手形売却損」として記録する。

A company records the discounting of a note receivable by debiting Cash for the amount of money received, crediting Notes Receivable for the face value of the note, and debiting Loss on sales of notes receivable for the difference.

手形の更改は英語で何て言うの?

支払期限が到来したにも関わらず、支払人にお金がなく支払えないことが理由などで、手形の支払期限を延長することがあります。

当然、手形の受取人の承諾が必要ですが、「古い手形」と「新しい手形」を交換することで手形の支払期限を延ばします。

この手続きを「手形の更改(こうかい)」といいます。

では、手形の更改は英語で何て言うのでしょうか?

正解は「Renewal of promissory notes」です。

Renewalは「更新、更改、リニューアル」という意味の名詞です。

Renewal of promissory notesで「約束手形の更改」というストレートな表現です。

日本では旧手形を回収し、新手形を振り出すことで支払期限を延ばします。

豆知識

国によっては元々の約束手形の条件(支払期限、利息、返済金額)を変更する契約(Agreement)を結んで「約束手形の修正」をします。その場合は、Modification to promissory note(約束手形の修正)と表現するので、併せて覚えると便利です。

不渡手形は英語で何て言うの?

約束した支払期日になってもお金不足が原因で支払人から支払いのない手形を「不渡手形(ふわたりてがた)」と言います。

不渡りを出した会社は、手形交換所により金融機関にその事実が通知されます。信用は激落ちし、通常は借入困難に陥ります。

また、日本では6ヶ月以内に2回目の不渡りを出すと、取引停止処分という恐ろしい事態になります

では、不渡手形は英語で何と言うのでしょうか?

正解は「Dishonored notes」です。

Dishonor(イギリス表記:Dishonour)は、「名誉を汚す、不渡りにする」という意味の動詞です。

単語の中の「h」は発音せず、「ディスオーナー」と読みます。

honor(動詞:名誉を与える)に接頭辞dis-が付いた対義語です。

例文を見て使い方に慣れていきましょう。

不渡手形とは、支払期日に振出人が支払い損ねた手形のことである。

A dishonored note is a note that the maker failed to pay at maturity.

振出人の手形が不渡りとなり受取人がその手形を不良債権であると認識したら、借方に貸倒引当金が計上され、貸方に受取手形が計上される。

If the maker dishonors the note and the payee recognizes the note is a bad debt, allowance for bad debts is debited and notes receivable is credited.

まとめ:本日の復習

 

  • 約束手形は英語で「Promissory notes」
  • 受取手形は「Notes receivable」
  • 支払手形は「Notes payable」
  • 手形の割引は「Discounting notes receivable」
  • 手形の更改は「Renewal of promissory notes」
  • 不渡手形は「Dishonored notes」

 

 

 
 

 

 

◆次回の記事◆【有形固定資産・売却・廃却・除却】は英語でなんて言う?現役の米国公認会計士が解説!〜英文会計入門シリーズ第17回〜

【有形固定資産・売却・廃却・除却】は英語でなんて言う?米国公認会計士が解説!〜英文会計入門シリーズ第17回〜

  こんにちは。会計英語アカデミー運営者のわだけんです。 「英文会計入門」シリーズでは、英語で簿記や会計を理解したい方向けに、簡潔に分かりやすく英文会計の基本を解説しています。 この記事では ...