英文会計入門

【債権・債務】は会計英語でなんて言うの?米国公認会計士がやさしく解説!〜英文会計入門シリーズ第49回〜

2023年1月14日

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こんにちは。会計英語アカデミー運営者のわだけんです。

「英文会計入門」シリーズでは、英語で簿記や会計を理解したい方向けに、簡潔に分かりやすく英文会計の基本を解説しています

この記事では「英文会計入門」第49回として、「債権・債務は会計英語でなんて言うの?」という疑問にやさしくお答えします

◆前回の記事◆【交際費】【寄付金】【費用を立て替える】は英語でなんて言うの?米国公認会計士が解説!〜英文会計入門シリーズ第48回〜

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【交際費】【寄付金】【費用を立て替える】は英語でなんて言うの?米国公認会計士が解説!〜英文会計入門シリーズ第48回〜

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債権って会計英語でなんて言うの?

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「債権」とは、「相手に対して特定の行為や金銭を請求できる権利」のことをいいます。

 

会計の世界では「債権」といえば「相手に対して特定の金銭を請求できる権利」を指す場合がほとんどで、代表的な勘定科目には「売掛金、受取手形、未収入金、貸付金」があります。

 

(厳密には「前払金(前渡金)」「前払費用」も相手に特定の行為(商品やサービス)を請求する権利があるので「債権」ですが、この記事では取り扱わない会計英語なので割愛します。)

 

では、「債権」は会計英語でなんと言うのでしょうか?

 

receivable」です。

 

"receivable"とは、動詞"receive(意味:受け取る)"に可能を表す接尾辞"-able"が付いた英単語で、形容詞では「受け取ることのできる」という意味があります。

発音はシンプルで「レシーヴァブル」で問題ありません。

会計の世界では"receivable"は形容詞としてではなく、「債権」という名詞として頻出します。

 

この会計英語を覚えることの重要性は大きく、将来的なキャッシュ・インフローを伴う債権に該当する英語の勘定科目のほとんどに"receivable"が使えます

 

  • 売掛金・・・Accounts receivable (AR)/Trade receivable
  • 受取手形・・・Notes receivable
  • 未収入金・・・Non trade receivable/Other accounts receivable
  • 貸付金・・・Loans receivable
  • 破産更生債権等・・・Distressed receivable

 

日本では"Accounts receivable"は「売掛金」と訳されることが多いですが、

例えば「売掛金」「受取手形」「未収入金」をまとめて"Accounts receivable"と呼んでもネイティブ的には違和感がありません。

 

ここでの"Account"はおそらく「勘定」を表していると思われます。

"Accounts receivable"でざっくり「債権勘定」と捉えることができるわけです。

ネイティブによっては、「売掛金」「受取手形」「未収入金」以外にも広範囲にわたって"Accounts receivable"を使うこともあります。

 

相手に対して特定の金銭を請求できる権利」を表すことができれば"receivable"なので、例えば"Other receivable"も使い勝手がよく、債権を表す「その他」の勘定科目に使われたりします。(例:立替金"Advance"の代替表現など)

 

債権の英語科目を忘れた!というときには、とにかく"receivable"を使ってなんとか表現しましょう。

そういう意味で"receivable"汎用性のある便利な会計英語です。

 

ただし、「電子記録債権」は例外で、英語で"Electronic Monetary Claims (EMC)"、""Electronically recorded monetary claims(金融庁の表示科目)"と表現し、"receivable"を使わないので注意が必要です。

("claim"にも「請求権、債権」という意味があります。)

 

例文

  • 現金、売上債権、棚卸資産、前払費用などの流動資産は、1年以内に現金化することができる資産です。
    Current assets such as cash, accounts receivable, inventory, prepaid expenses and other assets can be converted to cash within one year.

 

債務は会計英語でなんて言うの?

「債務」は「債権」の対義語で、「相手に対して特定の行為や金銭を提供する義務」のことをいいます。

 

会計の世界で「債務」を代表する勘定科目には、「買掛金、支払手形、未払金、借入金」などがありますね。

 

では、「債務」は会計英語で何と言うのでしょうか?

 

payable」です。

 

"payable"とは、動詞"pay(意味:支払う)"に可能を表す接尾辞"-able"が付いた英単語で、形容詞では「支払可能な」という意味があります。

発音は「ペイアブル」で問題ありません。

会計の世界では"payable"も形容詞としてではなく、「債務」という名詞として勘定科目に頻出します。

 

将来的なキャッシュ・アウトフローを伴う債務に該当する英語の勘定科目のほとんどに"payable"が使えるので、この会計英語を覚える重要性も大きいです。

 

  • 買掛金・・・Accounts payable (AP)/Trade payable
  • 支払手形・・・Notes payable
  • 未払金・・・Non trade payable/Other accounts payable
  • 未払配当金・・・Dividends payable
  • 未払法人税等・・・Income taxes payable
  • 借入金・・・Loans payable
  • 社債・・・bonds payable

 

日本では"Accounts payable"を訳すと大抵の場合「買掛金」となりますが、

ネイティブ的には"Accounts payable"でざっくりと「債務勘定」を表すのは"Accounts receivable"と同じです。

ただし、若干「仕入債務」の色が濃いように思います。

 

上記の英語科目は、正確に思い出せなくても、"payable"さえ頭から出てこれば「キャッシュ・アウトフローを伴う債務の勘定」は相手に伝わると思います。

 

「電子記録債権」と同じく「電子記録債務」は"payable"を使わず、"Electronically recorded obligations(金融庁の表示科目)"と表現するので留意してください。

 

例文

  • 買掛金が前期より増加した場合、その企業はより多くの製品またはサービスを現金払いではなく掛けで仕入れたことを意味します。
    When Accounts payable increases over a prior period, that means the company is buying more goods or services on credit, rather than paying cash.

 

ポイント

"receivable"も"payable"も勘定科目で使われる特別な会計英語です。勘定科目以外で「債権」を表す場合は"credit" "claim" "the right to receive"、「債務」を表す場合は"debt" "liability" "obligation"など状況に応じて英語表現が変わるので注意が必要です。

 

参考動画

"receivable"と"payable"に対する英語ネイティブの感覚を知りたい方は、以下の動画が3分でサクッと学習できるのでおすすめです。ネイティブの話す英語のリスニング練習にもなりますよ。

 

まとめ:本日の復習

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  • 「債権」は会計英語でReceivable
  • 「債務」は会計英語でPayable
  • ReceivablePayableも勘定科目で使われる特別な会計英語である

 

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